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稀代のスターデザイナーによるデニムの提案

いまや一口に「デニム」と言ってもテイストは千差万別。それゆえ、万人に似合うなんてモノは存在しないのかもしれません。

大切なことは、トレンドを理解したうえで自分らしい一本を選ぶこと。この連載に登場する逸品とともに、新しいデニム探しの旅へと出かけてみませんか?

華麗なるキャリアと完璧主義によるクオリティ

今回は究極のラグジュアリーを体現する、TOM FORD(トム フォード)の定番デニムをご紹介します。

現役屈指のスターデザイナーであるトム・フォード氏。かつての鮮やかなグッチの復活劇は、服飾史にその名を刻む偉業として語り継がれています。

グッチ、イヴ・サンローランのクリエイティブ・ディレクターの退任後、2005年に自身のシグネチャーブランドを設立。一方的では、映画監督としての顔を持ち、今年は長編映画第二作「Nocturnal Animals(原題)」が第73回ベネチア国際映画祭で賞を受賞するなど、多方面で活躍しています。

イタリアの名門エルメネジルド ゼニアとの協業などから、クロージングのイメージが強いトム フォードですが、実はラグジュアリーに再解釈したアメリカンカジュアルを得意としています。

デニムラインは2009年からスタート。その他のコレクションと同様に、妥協点が一切見当たらない完璧なモノづくりは必見です!

 

モードの帝王が本気で作る、大人のための味デニム!

いくつかある定番の中でも一際目を引いたのが、こちらの加工デニム。適度なシェイプがかかった現代的なストレートでありながら、卓越した技術が光る加工が施されています。

シルエットはそれなりに細身ですが、股上も浅すぎませんし、大人でも穿きやすい仕上がり。裾幅が適度に狭めなので、エレガントな革靴からカジュアルなスニーカーまでカバーしてくれています。

デニムに明るい方ならご存知かと思いますが、実は加工って、非常にコストがかさむパートであり、ブランドのセンスや力量がダイレクトに反映されます。しかもヴィンテージの風合いを求めるために日本製の14.75ozのインディゴデニムを使っている点も素晴らしいですね

その点、このデニムは、淡いキレイな色落ちに加え、ヒゲやハチノスといったデニム好きを納得させるアタリをやりすぎない加減で施しています。よ~く目を凝らすと、リアルな汚れ加工があったりと、本当に細部まで隙がありません。

▶︎画像拡大表示バックヨークが狭く、ポケットの位置が高いので、ほどよく上品さがあり、カジュアルに見えすぎる心配はありません。レザーパッチは、ブランドロゴのみのシンプルなデザイン。
▶︎画像拡大表示オリジナルのセルビッジデニムは、メリハリのある色落ちに。裾をチェーンステッチで仕上がるなど、縫製もこだわっています。適度に柔らかいので、穿き心地も抜群です。

トム・フォード氏の完璧主義が垣間見られるのが、デニムの本場アメリカでの生産による徹底的なディテールへの配慮です。

以前はイタリアで生産していたこともあったそうですが、オーセンテックな空気感を追求することでたどり着いた答えが、「メイド イン USA」だったのでしょう。

アメリカ=ラフで味な作りというイメージがありますが、このデニムにおいては逆。1950年代のディテールを忠実に再現していて、ベルト帯はチェーンステッチでV字で終わる押さえステッチ、ベルトループは専用のミシンが必要となる通称中盛りと呼ばれる仕様、そしてバックポケットには隠しリベットを配しています。

日本製ならまだしも、アメリカ製でここまで細かく作り込んでいるケースは実に稀。つまり、どこまでも本物志向であることが、このデニムの最大の魅力なのです。

Photo:Yasuhisa Takenouchi
Text: Shuhei sato

▶︎画像拡大表示デニムパンツ 10万円(税抜)

【問い合わせ】
トム フォード ジャパン
03-5466-1123
www.tomford.com



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