初期モデルが実は熱い“手巻きデイトナ”
2016年のバーゼルフェアで堂々のデビューを果たした新作Ref.116500LN、常にオークションを賑わす“ポール・ニューマンダイヤル”の高騰ぶりなど、話題に事欠かない「Cosmograph Daytona(コスモグラフ デイトナ)」。
1963年に登場して以来、数々のマイナーチェンジを繰り返し続けるROLEX(ロレックス)の最人気モデルにして世界一有名なクロノグラフは、これまで登場したほぼすべてのモデルがプレミア化しています。
現行からヴィンテージまで全品番をひっくるめると、下はアンダー100万円から上は1億円オーバーの個体が並ぶ中で、今狙い目のひとつが今回ご紹介するRef.6239の初期モデルです。
「コスモグラフ デイトナ」は、カーレースとゆかりが深くロレックスでは初となるベゼルにタキメーターが刻まれたクロノグラフとして知られています。
そして、今では「オイスター パーペチュアル」の冠がつくものの、開発当初のデイトナは、当時、最高と言われていたバルジューの名機をベースにロレックスがチューニングを加えた1960年代らしい手巻き式のクロノグラフでした。
それから自動巻きのデイトナが登場したのが、1980年代後半。それ以前のいわゆる“手巻きデイトナ”を大別すると、プッシュボタンが非防水タイプ、ねじ込み式の防水タイプ、とこの2つに分かれます。
Ref.6239はプッシュボタンが非防水時代の“手巻きデイトナ”で、文字盤のバリエーションが多いことが特徴のひとつでもあります。ここ数年、最初期の通称“ル・マン”と呼ばれる文字盤や”ソロ”と呼ばれる「ROLEX」の文字のみが文字盤に表記されたタイプが雲上モデルとなっていることから、初期モデルの再評価の機運がさらに高まっています。
それに加えて、ステンレススチール製のベゼルやリベットブレスなど、いかにも初期のデイトナらしいシックな顔立ちであること。さらにはコンディションやパーツ次第ですが、後続機のRef.6265と比べると多少価格が落ち着いていることが、ここでの一押しの理由です。
ちなみにこの個体は、初期モデルの特徴を押さえたベゼルや文字盤をはじめ、各部のコンディションがすべての面で基準を満たす、まさにお手本のような一本だと言えます。
すでに高級時計が何本も買えるところまで価格が高騰している“手巻きデイトナ”ですが、この人気ぶりからすると、この先も値上がりする可能性が大! 虎視眈々とオーナーの座を狙っている40男の皆さま。「似合うようになってから」と考えているようではアクションが遅すぎるので、なるべく早めのご購入をオススメいたします!
Photo:Yasuhisa Takenouchi
Text:FORZA STYLE