涼しげな素材感の魅力をより活かしたディテールに注目
生地表面の凹凸が肌の接地面積を減らし、さらっとした肌触りや高い通気性を備えるシアサッカーは、メンズドレスウエアにおいて夏を代表する素材です。ジャケットやパンツなど単品で取り入れることが多いこの素材を、FORZA STYLEではセットアップで着こなしをリコメンドします。
「シアサッカーは夏の素材です。白×ネイビーのストライプが、なんとも爽やかでクリーンなイメージを持っているのですが、ともすると昔のまんまのトラッドスタイルに見えてしまうことも。注目すべきはパンツのラインや短めの裾丈、合わせる靴の表情などのディテール。さらに今どきの小物を取り入れるのもポイントです。王道や定番といわれるアイテムも、時代に合わせて少しずつ進化させて着こなすことが大切なんです」(編集長・干場)。
編集長・干場が語るように、今季のシアサッカーのセットアップはその素材感だけでなく、スタイリングの幅がこれまでよりも広くなっているのが特徴です。ジャケットは着丈が短く設定されていたり、パンツはウエストがドローコードになっていたり。さらには少しモード感が加わっていたりと、これまでのクラシックなシアサッカーのアイテムとは異なる魅力を持ったものがラインナップされています。そんな進化したシアサッカーアイテムを夏のリラックス・カジュアルにさらりと取り入れてみてはいかがでしょうか。
シアサッカーアイテムといえばやっぱりこのブランド!
もともとテーブルクロスに用いられていたシアサッカー素材を、1930年にフロックコートに仕立てて発表したのがブルックス ブラザーズ。こちらはジョン・F・ケネディのミドルネームから取られた「フィッツジェラルド」というモデル。彼が大統領就任時に好んで着ていたモデルを参考に作られたものです。ナチュラルショルダーのややスリムタイプで、高めのアームホールと少し短めに設定された着丈がブルックス ブラザーズらしい洗練された印象を与えます。シャツとタイは同系色でまとめながらも、タイのドットで大人の遊び心を取り入れ、涼しげで上品に着こなすのがおすすめです。
カットソーやスニーカーが似合うとことんリラックスな仕上がり
軽さとストレッチ性に優れたポリエステルコットンのサッカー生地を採用した、着心地抜群のセットアップ。パンツウエスト部分はドローコードで、よりリラックス感を高めています。遠目から見ると明るめのネイビー一色に見える生地で、コーディネートしやすいもポイント。ジャケット、パンツそれぞれ単品でも着回しやすく費用対効果は抜群! 今の気分にもぴったりのセットアップです。
珍しいダブルブレストのスーツは、パンツのバランスも新鮮!
シアサッカースーツでは珍しい、ダブルブレストのスーツを発表したのは、元ボリオリのデザイナーが手がけるブランド「ザ・ジジ」。ジャケットは、ブランドのアイコンとなるシルエットよりもやや着丈を短く設定しています。ポリウレタン入りコットン素材でストレッチを効かせつつも、高めの位置から狭いピッチで配されたボタンなど、ほのかにモード感も加えた一着に。パンツはワタリが広く股上の深い1プリーツの入ったペグトップパンツ(ゆったりとした腰まわりでお尻から裾にかけて細くなったシルエット)を合わせることで、定番的なイタリアンスタイルとは異なる、新しいスタイルを表現しています。
夏でも快適な注目の素材をよりリラックスな仕立てで
清涼感と吸水速乾性、ストレッチ性を兼ね備えた「エバレット」というポリエステル素材を採用。暑い夏でも快適に着られる一着です。一枚仕立てのアンコンジャケットはオリジナルの貝ボタン、バックセンターにロゴテープを採用するなど、さりげないブランドアピールを加えています。細めのピッチなので、Tシャツでも上品に決まります。パンツはウエストをドローコードにすることで快適な穿き心地を約束してくれます。
1950年代の生地を再現した、高級感のある風合いが新鮮!
「タグロン」と呼ばれる1950年代に用いられていたコットンポリエステル混紡素材を、組織やストライプのピッチ幅まで忠実に再現。やや粗めで天然繊維のような毛羽が備わった高級感のある風合いが特徴です。現在このタグロンを衣料に用いているのは、J.プレスのみ。ニューオーセンティックモデルのジャケットとパンツは写真の白×ブラウンの他に定番の白×サックスも展開。一般的なシアサッカー生地よりも一段上の高級感で夏カジュアルの差別化を図りましょう。
抜群のストレッチ性と軽さでトラベルでも大活躍のベストセラー
発売以来ベストセラーとなっている「ウルトラライトJK」は、トロッタージャケットの中で最軽量化を図ったモデル。ベーシックなサイドベンツの2つボタン、背裏・袖裏のない一枚仕立てで軽やかな素材の魅力を堪能できます。シャドーストライプが上品な後染めサッカー素材には、吸水速乾性の高い「クールマックス®ファブリック」を採用。その軽さとストレッチ性で、ビジネスシーンだけでなくトラベルシーンでも活躍間違いなしの一着です。
Photograph:Ryo Toyoda
Styling:Takahisa Igarashi
Hair & Make-up:Ryohei Katsuma(masculin)
Model:Masaya(HEADS)
Edit:Takuya Kikuchi