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「借金彼氏から離れられないなら、奴は死んだと思うしかない!」
ソクラテスならこう言うね
〜恋愛・ビジネス相談所〜

2016.5.14
2016.5.14

借金彼氏への斬新な見切りのつけ方!?

日本の哲学者小川先生だからこそできる、哲学的・お悩み相談室!さて、第8回目の相談者のお悩みを紹介しましょう。

Q.彼氏の借金癖に悩んでいます...。

こんにちは、33歳の独身OLです。彼氏の借金癖に悩んでいます。彼はすごくルーズな人で、人から借りたお金を返しません。私も彼には100万円ほど貸してしまったのですが、返ってこず...。彼のことが好きなので、ついつい甘えられるとNOとは言えないのですが、貸してしばらくは連絡がなくなり、また困ったら連絡してくるということが度々あります。

付き合って3年、私もそろそろ結婚を考えたい年齢なので、彼との別れも考えるのですが、彼は借金癖以外はすごく良い人で、また気が弱い人なので、なかなか別れを切り出せません。どこか母親のような目線で彼を見てしまい、依存してしまって抜け出せていない気がします。頭ではわかっているのですが...こんな私は不幸になってしまうのでしょうか。

A.彼は死んだ!?

これは困りましたね。借金彼氏ですか...。こんな私は不幸になってしまうのでしょうかと問われると、「はい」としか答えようがありません。相談者さんももうお気づきのように、借金は性格です。そして人間の性格はそう簡単に変わるものではありません。

彼が今抱えている借金をすべて返済したとしても、またいつか借りるでしょう。人生は山あり谷ありです。お金が必要なことは多々あります。普通の人でも借りたいのに、ましてこういう借金癖のある人は、必ず借りるはずです。消費者金融の隆盛を見れば明らかです。そして泥沼にはまっていくのです。だいたい、お金を借りてきちんと返せるような人は、最初から借りません。もちろん、住宅ローンなどの資産形成は別ですよ。

彼の性格を変えるというのが理想でしょうが、それは相談者さんにそこまでの覚悟があるかどうかにかかっています。人の性格を変えるには、相当の努力がいります。相談の文面を見る限りは、ちょっと厳しそうな気がします。もうすでに別れようと思われてるわけですから。ただ、それができないだけです。彼に依存してしまっているがために。

ドイツの哲学者ニーチェならこういうでしょう。「彼は死んだ」と。実際には「神は死んだ」といったのですが。宗教に依存してきたヨーロッパの人たちを啓蒙すべく、ニーチェはあえてそういったのです。これまで依存してきた神はもう死んだのだと。そうすると、これからはもう誰にも頼らず強く生きていくよりほかありませんから。そんなふうに誰にも頼らず、自分だけを信じて強く生きることができる人間を、ニーチェは超人と呼びました。いわゆる超人思想です。では、超人は、誰にも頼らずどうやって強く生きていくのでしょうか? ニーチェの答えはこうです。すべてを受け入れる。

苦しい時もつらいときも、そこから逃げていてはいつまでも解決しません。だから受け入れるのです。そうすればそこでストップします。ある意味神頼みというのは、問題から逃げていることになるのかもしれません。自分で解決しようとしないのですから。相談者さんも、「彼は死んだ」と思えば、もう彼に依存する必要はなくなります。彼無しでも生きていけるのです。そうしてもうお金を貸す必要もなくなります。それでも彼の借金癖がなくなることはないでしょうが。彼は別の誰かからお金を借りながら生き続けるだけです。でも、相談者さんがそこに巻き込まれることはありません。

私がこのようなアドバイスをするのは、相談者さんが苦しまれているのを見るのが忍びないからです。にもかかわらず、彼はせいぜいお金の工面に困っている程度です。ニーチェはこうもいっています。「同情は苦悩より辛い」と。友人の恥ずべき行為は、むしろ周りにいる私たちをせつない気持ちにさせると書いています。苦しむべき彼よりも相談者さんのほうが苦しんでいるのです。だから相談者さんには、超人になってもらいたいのです。

本当は彼のほうこそが、「金は死んだ」と思って、むしろお金に頼る人生から脱却して超人になる必要があるのですが……。

Text:Hitoshi Ogawa
Photo:雪ボタン、Getty images

【小川仁志】
1970年京都市出身、京都大学法学部卒。伊藤忠商事に入社するも退職し、4年間のフリーター生活を経て名古屋市役所に入庁。その後名古屋市立大学大学院博士後期課程を修了し、博士号取得。2015年には山口大学国際総合科学部准教授となる。専門は公共哲学、および政治哲学。商店街で哲学カフェを主宰するなど、市民のための哲学を実践している。哲学に関する著書多数。 

 

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