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世界王者を10人育て上げた男
錦織圭の恩師、ニック・ボロテリー独占インタビュー
「コーチングの極意」

2016.5.3
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2016.5.3

錦織は、ジョコビッチに勝てるのか テニスの神様の肉声

83歳にして、いまだ意気軒昂な男である。背骨こそ少し曲がっているが、眼光の鋭さも口調も全く衰えていない。

今回、我々FORZA STYLEは世界初となるテニス専門のアカデミー「ニック・ボロテリー・アカデミー」を創設し、錦織圭の育成にも大きく寄与したニック・ボロテリー氏に独占インタビューをすることができた。つい先日、マイアミ・オープンの決勝でノバク・ジョコビッチに敗れたばかりの錦織圭だが、氏の目にうつった錦織の第一印象はどうだったのだろうか?

「初めて我がアカデミーに来た時のケイ・ニシコリは、とにかく無口でシャイだった。もちろん、英語がわからなかったということもあるだろう。ただ、長年の友人でもある盛田正明氏がたっての希望で送り込んできた選手ということもあり、注視しているとモノが違うということはすぐにわかったよ。そこから私も含めた育成チームが十代後半から二十代のはじめにかけて徹底的に鍛え上げてきたということだ。ケイが特に秀でているのは、目と腕の相関関係だ。これだけは、もって生まれたものとしか言いようがない

ボロテリー氏は、錦織の才能に賛辞を惜しまない。

米国で氏のアカデミーを分析した修士論文がある。この論文において、著者はアカデミーの歴史を「草創期」「黄金期」「衰退期」の三つに分けて論じている。「衰退期」とは2003年以降の約十年間、世界トップ10に加わる選手が出てこなかった時期をさす。つまり、錦織圭が全米オープンで決勝に進出し、世界ランキングベスト10に加わったことにより、アカデミーは第四の「再興期」に入ったということだ。錦織圭は日本のみならず、氏のアカデミーの歴史においても特別な存在なのだ。 「特別な存在」といえば、アンドレ・アガシの存在を欠かすわけにはいかない。

 「あいつの自伝は一行も読んでいない。今後も読むつもりはない。アンドレの人間性は直に触れて誰より知っているからね。最初に電話してきたのは父親だった。テレビの特集を見たらしい。私も名前は知っていたから、とりあえず半分の奨学金を提供することにした。でも、一目見てすぐに半額奨学金の小切手を破り捨て、全額奨学金を提供したよ

今後、錦織がジョコビッチに追いつき、追い越すにはどうすればいいのか。

世界王者、ジョコビッチの牙城を、錦織は崩せるのだろうか。

「忘れないでほしいのは、ノバク・ジョコビッチは史上初の弱点が全くない選手だということだ。サーブ、フォアハンド、バックハンド、すべてにおいて全く隙がない。つまり史上最強の選手ということだ。私の門下からこれまで十人の世界王者を輩出した。その中で一番才能に恵まれていたのはチリ出身のマルセル・リオスだった。世界一にはなれたが、六週間しか頂点に君臨できなかった。やはり、世界一になるには多少の運も必要だ。ただ、一つ言えるのはかつてのケイはベスト10に入ってきて“自分はこんな位置にいていいのか”と不安を感じているきらいがあったが、今のケイは現在の立ち位置を自分にふさわしい、いて当然の場所だと考えられるようになっていると思う。それは今後ノバクに挑戦していくうえで一つの大きな強みになると思うね」

 では、十人の世界王者を輩出し、錦織圭の育成にも大きく寄与したニック氏のコーチング手法は、ビジネスにも活用できるのか。

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