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STYLE 19
「汚れても傷がついてもOK!休日には、タフなデニムスタイルを」

2016.4.11 update

この度は、熊本地震で被災されました皆様、避難生活を送られている皆様に、心よりお見舞い申し上げます。

まだまだ余震が続き、心休まらない日々をお過ごしかと思いますがどうか頑張ってください。一日でも早く、安心した日々を送ることが出来ますよう心よりお祈り申し上げます。そして我々、『FORZA STYLE』編集部一同も微力ではありますが、皆様のお力になれることを考えて発信して参ります。

さて、今回はデニムスタイルです。渋カジど真ん中で育った僕は、こういうタフで男っぽいスタイルもDNAの中に存在しているのであります。

当時はこんなに股上が浅くてシュッとした細みのデニムや、スタイリッシュなライダーズがなかなか無くて……。デニムも501のヴィンテージ物や、ライダーズはバンソンやショットというブランドの、カタイ革のものを身体に馴染ませて着ていました。

本当にカタイ革だったので、なかなか馴染まなくて……(笑)。デニムもバリバリのノンウオッシュの状態から履き始めて、一緒にお風呂に入ってこすったり、裏側にして洗濯したりして。とにかく、25年ぐらい前は、今のように、最初から味が出たようなアイテムや、体型を格好良く見せてくれるアイテムなんて無かったのです。だから、自分で作るしか無くて。

『LEON』編集部にいて、最初のジーンズ特集をやったときなんかは、ジーンズをお直しして履くというリメイク企画をやって、大ヒットしました。リーバイス501のヴィンテージの確か66モデルだったと思うんですが。

ヴィンテージものだから、色落ちはいいんですが……。なんていったって、形が、いわゆる501のシルエットだったから、股上は深いし、太いストレート。だから、腰で履くと、とてつもなく足が短く見えたんですよね。

そこで、股上を浅くし、シルエットもキレイに見えるように、わざわざ、浅野洋服店という中野にあるお直し屋さんに出して、1本5000円で、格好良くリメイクして履くという企画をやったのです。

レッド・ウィングなんかのブーツも、なかなか味が出なくて、地面や壁を蹴ったりして、無駄に汚したり、ボロボロにしたりして風合いを出していたのです。ベースボールキャップなんか、ライターであぶって、穴を開けたりしていましたからね。親に「何やってんの? アンタ。買ったばかりなのに……」と怒られていましたっけ(笑)。 とにもかくにも、そんなタフなアイテムに憧れを抱き、映画もよく見ていましたね。特に、渋カジの時に見た映画で参考にしたのは、この2本。

ピーター・フォンダとジャック・ニコルソンがハーレーに股がって全米を横断するという『イージーライダー』。これを見て、古着屋に行って、状態の良いスタンドカラーで、シングルタイプのライダーズジャケットを探したのです。「WOODS」と背中に書かれた、黒に白のラインが入ったライダーズを見つけたんですけど……。当時の古着ですから、本当にめちゃくちゃ臭くて……(笑)。買ってすぐ洗濯機に入れて、ガツンガツン洗っていたら、脇の部分がほつれてしまって。脇に穴が開いたまんま、しばらく着ていて女の子と遊んでいたら、急に袖が取れちゃったんですよ。本当にダサかったな〜。

ショーン・ペンが主演していた『バッド・ボーイズ』も、とてつもない暗い不良映画でしたけど、めちゃくちゃ格好よかった。ネイビー色のポケット付きのTシャツをショーン・ペンが着ていたんですが、めちゃくちゃ良い色落ちだったんです。

それを真似して、新品のネイビーのポケット付きTシャツ、通称ポケTと言われるものを買って、脱色剤を入れて、何回も何回も洗濯機で洗って、着古した感じにして着ていたんです。

デニムも格好良かった。おそらくリーバイス517か、646のブーツカット。足下はコンバースだったかな~。ショーン・ペンのヘアスタイルも格好良くて真似しました。ちょっと長めの不良っぽいスタイルだったのです。右肩か左肩には、タトゥーなんかも入っていて、思わず入れそうになりました。もちろん、入れなかったのですが……。

地元の駒込には、そういう不良っぽいスタイルが似合う仲間や悪い先輩たちがいっぱいいましたから。とにかく、影響を受けましたね。

男性には、誰にでも、そういう原体験があるんですよね。でも、当時のスタイルを、大人になってそのまんま再現すると、ちょっと時代が止まった感じになってしまう。そこで、ちょっとずつアイテムを進化させ、アップデイトをしたスタイルを休日に楽しんでいるのです。

今回のスタイルは、まさにそう。ライダーズジャケットは、昨年、ベルスタッフと映画プロデュース会社が組んで制作したショートフィルム『OUTLAWS』のなかで、主演のデヴィッド・ベッカムが着ていた「アウトロージャケット」です。

素材は軽量なハンドワックスレザーを使い、ヴィンテージ効果を高めるために2次ワックス加工が施されています。ジップ式カフスやダイヤモンドパターンのショルダーパッドなど、細部にも凝っていて、伝統的なライダーズジャケットのディテールをすべて備えているといっても過言ではありません。

ちなみにこのフィルムですが、プロデューサーは女優のリヴ・タイラーが務めていて、キャスト陣も超豪華。YouTubeでまだ見られるので、ぜひチェックしてみてください。

デニムは、ダブルアールエルの生デニム。そのまま履いても良かったのですが、裾幅を少し細くしています。もちろん、僕が行きつけのお直し屋さん、浅野洋服店です。

ブーツは、デニムに合わせる靴の中で長年愛用している、イタリアブランド「ドルチェ&ガッバーナ」のエンジニアブーツ。オリジン好きの性格からすると、「レッド・ウイング」のPT83という選択肢もあるのですが、少々骨太過ぎ。ちなみにPT83は、1983年台のエンジニアブーツで、バックル部分が低めの設計がされているので、デニムを履いた時に、裾からバックルが見えたのです。

こちらのドルチェ&ガッバーナのブーツは本格的だけど、もう少し細筒なものがあればと思い、ミラノで10年前に購入したもの。前後のソールは中野のミスターエマ」でビブラムにお直ししています。

ベルトは、エルメスのトゥアレグ族が1点1点手彫りで彫っているもの。

Tシャツは、エコラグの代表的なアイテムの、ギャップのTシャツです。確か3200円ぐらいだったかな。毎年買い足しています。

いずれにしても、Tシャツ以外は、どのアイテムもタフな長持ちするものばかり。こういうアイテムを色数を絞って着るのが、好きなんです。

そういえば、『オーシャンズ』編集部にいる頃、スタイリストの野口強さんにインタビューしたことがあったんですが、今回はその時の言葉で締めくくりたいと思います。

「男のやり過ぎは、気持ち悪い」

「色数も絞って、なるべくシンプルに」

「男は、引き算の美学」

書籍も発売になりました、良かったら読んで頂けると幸いです。今回は、干場イズムの基本の1冊です。多少、文章が多く感じる方もいらっしゃると思いますが、少しでも皆様のお役に立てればと思っております。

ということで、今日はこの辺で。

世界のエリートなら誰でも知っている
「お洒落の本質」
~スーツの着こなし術から、世界の一流品選びまで~


ライダーズジャケット/ベルスタッフ
Tシャツ/ギャップ
デニム/ダブルアールエル
ベルト/エルメス
腕時計/カルティエ
ボストンバッグ/ルイ・ヴィトン
ブーツ/ドルチェ&ガッバーナ
サングラス/レイバン

Photo:Kazuya Furaku
Text&Styling&Model:Yoshimasa Hoshiba


エロサバ-Hoshipedia
「エロサバ」とは、“エロいコンサバ”の略で、干場の哲学により生まれた造語。シンプルでベーシック、コンサバティブな洋服を着ているのにも関わらず、着こなし方次第でSEXYにエロく見えるスタイルのこと。例えば、一番象徴的なのは喪服の女性。成熟した大人の女性が喪服を着て、メイクも抑制しているのに、なぜか色っぽく見えるスタイル。例えば、上質な素材の普通の白いシャツを着ているのにも関わらず、胸元のボタンを2~3個開けてセクシーに着こなしたり、袖口を捲って腕元を見せてヌケ感を出すスタイル。単なる粗悪な、しかもデザインが変わっている白いシャツでは駄目。上質な素材のベーシックな白いシャツだからこそ、エロく着こなしても、上品さを保つことが出来るのです。男性で例えるなら、自分の体型に合って仕立てられたミディアムグレーの無地のスーツを着て、上質な白シャツに無地のグレーのネクタイのような極めてコンサバティブなスタイルをしているのにも関わらず、内側から大人の色気が香るようなスタイル。要するに、さり気なく上品に見えるコンサバなアイテムを着つつも、エロく見えるスタイル。これが「エロサバ」スタイルの根幹でありキモ。


『FORZA STYLE』編集長

干場義雅
尊敬する人は、ロロ・ピアーナの元会長セルジオ・ロロ・ピアーナさん、ピエール・ルイジ・ロロ・ピアーナさん、トッズの会長ディエゴ・デッラ・ヴァッレさん、格闘家のブルース・リーさん、初代タイガーマスクの佐山サトルさん。
スポーティでエレガントなイタリアンスタイルを愛し、趣味はクルーズ(船旅)と日焼けとカラオケ。お酒をある一定以上飲み過ぎると、なぜだか一人感無量状態になって男泣きする現在42歳の小誌編集長。東京生まれ。



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