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CAR 九島辰也のCAR STYLE

VOL.4 「レンジローバー・イヴォーク・コンバーチブル編」

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SUV戦国時代に登場したタフでセクシーなコンバーチブル

世はまさにSUV戦国時代。軽自動車からベントレーまで輩出しているのだから驚かずにはいられない。この20年あまりでマイナーだったカテゴリーが世界中を席巻することになった。
こうなればどうライバルと差別化するかだ。BMWはX6で背の高い4ドアクーペを強調し、メルセデスもGLEクーペでそれを追う。それにプラグインハイブリッドやクリーンディーゼルでエコを謳うモデルも少なくない。かつて“ガスガズラー(gas-guzzler)と呼ばれた大排気量ビッグSUVはもはや端っこに追いやられた。

そんな中かなり自己主張するSUVが現れた。レンジローバー・イヴォーク・コンバーチブルである。背の高い4シーター&4WD SUVでありながら、こいつはガッツリ屋根が開く。
もちろん、これまでもこういったモデルがなかったわけではない。思い起こせば日産ムラーノにそんな派生があった気がする。が、それはビジネス的に成功とは言えず、かなり短い期間で姿を消した。

それじゃレンジローバー・イヴォーク・コンバーチブルは大丈夫なのだろうか?
結論から言って、それほど心配はいらない。冒頭に記したようにいまやSUVが氾濫する時代。ムラーノのときとは情勢が違うのは一目瞭然だ。それにイヴォークはデザインで高く評価されているクルマ。ミラノを散歩すればその多さに驚くことだろう。デザインの国でしっかり認められている。なのでデザイン的な破綻は考えられない。


さらに言えば、このクルマはファーストドローイング、つまり最初のスケッチがあまりにもかっこよかったことからプロジェクトがはじまったとされる。線を描いたのは現チーフクリエイティブオフィサーのジェリー・マクガバン氏。ローバー時代から長く携わってきた人物だ。最近では新型レンジローバーで高い評価を得ている。
そんなフォトジェニック?なレンジローバー・イヴォーク・コンバーチブルに一足早く試乗してきた。場所はリオンから東へ行ったアルプスに近い高級スキーリゾート、クールシュヴェル。ロイヤルファミリーも訪れるというのだから……その辺のスキー場とはワケが違う。

では実際に目前にした印象はどうだったかというと、特に違和感はなくかなり自然に見えた。それは開けたときも閉めた時もそうで、イマドキの言葉を借りれば“シュッと”している。それもそのはず、ベースとなったのは3ドアのクーペ。5ドアでは薄れてしまうイヴォーク本来の鋭さがある。というか、イヴォークはそもそも屋根が開こうと開かまいと面構えの凛々しい存在感の強いクルマ。前後のフェンダーの張り出しは大きくマッチョ感に目を奪われる。


そして走ればこれまた意外なほどスポーティでワインディングをキビキビ走る。レンジローバーファミリーでありながら“ジャガーネス”を感じてしまうほどだ。まぁ同じ会社なので技術提供はしていると思われる。幌もよくできている。5層からなるファブリックは静粛性は高く、剛性もある……。


といったレンジローバー・イヴォーク・コンバーチブルのなにが印象的かといえばオープンで雪山を駆けたこと。それと高級スキーリゾートであるクールシュヴェルとこのクルマがかなりマッチしていたことだ。ただそれも当然といえば当然。このクルマはレンジローバーファミリー。その辺のSUVとは出が違いますからね。

【プロフィール】

九島辰也
モータージャーナリスト兼コラムニスト/日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員/2014-2015日本カーオブザイヤー選考委 員/日本ボートオブザイヤー選考委員/(社)日本葉巻協会会員http://www.tatsuyakushima.com/index.html


 



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