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LIFESTYLE 魁、干場塾!

第30回 靴の色をリメイクする楽しみ

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門外不出の染料を混ぜ合わす「奇跡の色」

35歳の編集部員サトシーノが小誌編集長の干場から大人のコーディネートを教わる好評企画。干場義雅が今回もそのこだわりを爆発させます!

サトシーノ:干場さん、おつです~!(さして急ぎもせず)。 ザギンでクラブママの休日を追う取材が押しちゃいまして、すみません。

干場:へぇ~、ザギンだったんだ。しかもクラブママの休日じゃあ、時間に遅れるのもしょうがないよね…ってオイ! ノリ突っ込みは苦手だから中途半端にボケないでくれ。今日の取材はココ、俺のお気に入りの恵比寿の「Rifare(リファーレ)」というシューズのセレクトショップだからくれぐれも恥をかかせないように。

 

サトシーノ:また新しい靴新調するんですか? ちょうど僕も春夏用の靴を探しているところだったので嬉しいです。早速入店しましょう。お頼み申す~!

干場:ちょっと待て! 甘い、甘過ぎる。 今日ここに来た理由は、ただ単に靴を買いに来たわけじゃないんだよ。今日は、お前に革靴の色の奥深さを教えてやるから心して聞くように。

サトシーノ:へ? 革靴の色…ですか?


©getty images

 

干場:そう、この間、目白のチョークストリームで購入した革のスニーカー「ヴィットリオ・スペラナンツィオー二」と、ヘビロテのブルネロ クチネリの茶色の革靴を超高級バイオリンの「ストラディバリウス」のようなアンティーク家具超の色合いに変身させようとたくらんでいるんだ。

サトシーノ:え? シューズのセレクトショップなのに、そんなに大胆なリメイクをしてくれるんですか?

 

干場:そうなんだよ。ここリファーレは、お店に修理工房を併設していて、靴好きな業界人も修理によく通ってるんだ。ソール交換はもちろん、靴のストレッチや靴磨きまで、店長の小澤さんの腕前が光り輝いているんだよ。

サトシーノ:職人である店長自ら接客してくれるなんて、本気度が違いますよね。

 

干場:新しい靴をどんどん買うのもいいけど、気に入った革靴をリペアしながら自分の好みに仕上げるのも技術のうち。気に入った靴を10年単位で履き続けるためにリペアはもちろんだが、時には革色を変えてみるのも面白いんだ。その方法を今日は教えるからな。

サトシーノ:干場さんといえば、服のリメイクを流行らせた第一人者。なるほど、次はシューズのリメイクってわけですか。しかもこだわる色が、世界で有名な超高級バイオリン「ストラディバリウス」って、目の付け所がシャープです(鴻海に買われたけど)。でも、いつも自分でやっている革クリームの色入れと何が違うんですか?

干場:そこなんだよ。ここではまず色を入れる前に汚れ落としやアルコールで脱色をするんだ。リファーレで扱っているのは市販されていない革用の特殊な脱色剤。この脱色剤でクリームや油分を取り除き、きれいに脱色してくれる。色を重ねる方法は、よくあるが、「ストラディバリウス」のようなアンティーク調に仕上げるには、一度色を綺麗に落とさないとダメなんだ。

サトシーノ:なるほど、色落とし剤もプロ用のものがあるんですね。

 

干場:そして、染料なんだが……。これが、リファーレが誇る独自のものなんだ。ブラウンを基本とする3原色があってこれらを混ぜ合わせたり稀釈したりして、顧客の望む色をひとつひとつ手作りで生み出すんだ。この混ぜ合わせる配合がキモ中のキモ。ここでしかできない職人芸なんだよ。

サトシーノ:確かに店長さんが色づけした靴は、バイオリンの名器にも引けを取らない、吸い込まれるような色ですね。 な、なんて美しいんだあ~!(顔につけてスベスベ)

干場:うわ! 気持ち悪いな! 顔にスベスベすんじゃないよ! 顔の脂がついて汚く変色するだろ! せっかくリメイクしたばっかりなのに。

サトシーノ:(無視して)スウェードの革とかも同じように色を変えたりできるんですか?

干場:スウェードの場合は、表面に繊維質があるから、色を入れると表面がガッチガチにNG。どうしてもって時は、補色剤(スプレー)でやるように。

 

サトシーノ:なるほどリメイクに向く靴と向かない靴があるんですね。でもこんなに綺麗な色合いに仕上がるなんて、ビックリしました。

干場:流行を追わず、品質の良いものを自分で育てる。その楽しさと奥深さが少しはわかっただろ?

サトシーノ:うん、じゃあ次の取材があるのでこれを借りして、先に失礼しますね。

干場:こら! 自分の靴しっかり小脇に抱えて、俺の靴履いて帰ってんじゃないよ。てか、いまタメ口きいた? ちょっと待てサトシーノ!(裸足で後を追う)

Photo,Text:Satoshi Nakamoto

【問い合わせ】
リファーレ
東京都渋谷区恵比寿南2-7-1 エビスウィンバレー1F
営業時間: 11:00~20:00
03-5768-1373
www.rifare.jp/



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