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FOOD 昭和なアニキのアニ散歩

第14回 アナトミカのジャケットと「宇ち多゛(うちだ)」の超絶品もつ

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男なら大衆酒場の聖地、立石に一人呑みで“宇ち入る”べし!!

ピエール・フルニエという、ズバ抜けてお洒落なフランス人をご存知だろうか? 今のセレクトショップの源となる店を、1970年代に作った伝説の男である。

ピエールのブランド、アナトミカは、ミリタリーやワークなどメンズファッションの基盤となるオリジナルをただ復刻するだけでなく、伝統を引き継ぎながらも彼のエスプリを感じさせるのが特徴。

このコットンジャケットは、着こむほど身体に馴染む正に一生モノだ。着こなしはシンプルに白のBDシャツに501と、余計なものはいらない。

そんなエスプリを感じさせるジャケットで向かったのは、大衆酒場の聖地、立石。俺にとっては、はじめての地。つまり通いなれた酒場ではない、アウェーだ。

立石の駅前に出ると、まるで昭和にワープしたような錯覚を覚える。残っていることが奇跡的な昭和遺産の商店街。まずは伝説の酒場、「宇ち多゛(うちだ)」を目指す。

まだ、平日の昼3時というのに30人程の行列が……。恐るべし立石。15分ほど並び店内に入ると、アウェーというか物静かな緊張感があふれている。「宇ち多゛」で飲むことを、“宇ち入りする”と言われる意味がわかってきた。

壁に貼ってあるメニューを見ると、飲みものの他は、もつ焼ともつ煮込み、お新香の3品のみ。さてどうする俺。はじめての酒場では俺なりのルールがあり、常連が飲んで食べているものをチェックするのだ。


まずは、ほとんどの人が飲んでいる梅割りともつ煮込み、もつ焼きのシロタレを注文。梅割りは、宝焼酎25度のストレートに梅シロップを入れたもの。この梅割りを一口飲み、まずは煮込みを食べてみる。今まで食べたことのない美味さに衝撃を受け、シロタレも言葉にならない美味さ……。今までこんな鮮度の高いもつは、初めてだ。絶妙な味付けに梅割りが進み、アウェーの緊張感の中けっこう酔いがまわってきた。


なんとなく、店の雰囲気に馴染んできたところで隣の常連に教えてもらい注文したのが「アブラから塩よく焼き」。マジで美味すぎる。もつ焼きは、「部位」「味付け」「焼き方」で、カスタムオーダーするシステムだと、この時はじめて納得した。まるでラーメン二郎に初めていった以来の感動。


常連は、他にもルールを教えてくれた。飲んだ酒の数は会計時に自己申告のため酔ってわからなくならないように、コップの前に食べ終わった串を置き、皿はスペースを取らないよう重ね置きする。梅割りを2杯飲んだので串を2本だ。常連にもう一軒行こうと誘われたが俺は会計を済まし一人店を出た。

「宇ち多゛」は、酒の飲み方を改めて気づかせてくれる酒場だ。酔いすぎて大声でしゃべっている客はいない。人に迷惑をかけず各自、酒を楽しんでいる。この絶妙な緊張感の中で酔う心地よさはここでしか味わえない。男ならぜひ一人で“宇ち入りする”ことをおすすめしたい!

ピエール・フルニエのブランド、アナトミカのコットンジャケット。ワークジャケットを、独自のアームホールやウェストの絞りでエレガントに仕上げたフランス製。高円寺の某古着屋で手に入れた逸品。

Photo & Text:Eiji Katano

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今回のアニキおすすめの店


「宇ち多゛」
東京都葛飾区立石1-18-8 仲見世商店街
Tel. 03-3697-5738
営業時間 月~金14:00~19:30頃 
    土12:00~14:00頃
(平日・土曜ともに営業時間にかかわらず品物がなくなり次第、営業終了あり)
定休日 日曜・祝日

プロフィール

 

片野英児(かたのえいじ)
1968年生まれ。昭和とメンズ服飾を愛してやまない47歳。小誌編集長の干場(ほしば)がアニキと呼んだことから、いつしかアダ名がアニキに。趣味は、スナックで昭和カラオケ。呑みすぎると、歌いながら、なぜか干場と泣き合う熱き男。好きな場所は軍艦島。



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