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FASHION

NEXT40 注目のオトコたち VOL.01
ベイクルーズ 野田晋作氏に訊く、今とこれから。[後編]

2016.3.12
2016.3.12

42〜43歳まではグッと詰めていく 自分にとっての修行期間

90年代後半から隆盛を極めたセレクトショップ、そのプレスというポジションにつき、シーンを盛り上げてきた方々が40代を迎えようとしています。ファッションの最前線に立ち続けてきた、気になる注目のオトコたちが40代を迎えるにあたって考えていること、会社内での取り組みやプライベート事情までを、彼らと同世代でありファッションの編集者という立場で見続けてきたFORZA STYLEのシニアエディター谷中がヅケヅケと訊いていく連載企画。

まずは、「ÉDIFICE」や「JOURNAL STANDARD」など数多くの人気セレクトショップを展開するベイクルーズの上席取締役として、飲食部門を切り開いていく辣腕、野田晋作氏にインタビューを敢行しました。前編はこちら

ファッションって絶対に廃れない

谷中:今は飲食部門がっつりで、アパレルからは離れているようですが、そんな野田さんのポジションから見て、今のアパレル ビジネスはどう映っているんですか?

野田:じつは、3月からアパレルPRのオブザーバーみたいな形で復帰するんですよ。時代の揺り戻しみたいのって絶対にあるじゃないですか? 人が生身の形である以上ファッションって絶対に廃れないと思うんですよ。

谷中:なくなることはないですよね。

野田:社会にいるってことは自分を誰かと比較をする行為は必ずあり続けますよね。それで人の欲求がなくならない限りは、絶対にファッションで差別化をする、自己表現をするというのがなくなるわけではなくて。たまたま時代の流れ的に、個性がないことの自己表現をしたがる風潮ですよね。個性がないっていうのも自己表現ですし、これが永遠に続くわけではないし。これを面白くないと思っている人は絶対に存在します。

谷中:変革は遅かれ早かれ起きないわけはないと。

野田:自己表現って、誰かとの接点がないと生まれないですよね。家みたいな一人だけの空間で自己表現する必要はないわけですから。誰かとの接点で自己表現するのにお金を使う行為っていうのが、かつてはファッションだったりしたんですが、今ってLINEでスタンプを買って送るとか、オンラインゲームで他の人より良い装備を身に着けたいとか、自分がどういう人間なのかを表現するためにお金を使う対象が多くなってきている。根本は、人よりよく見せたいっていう行為に対して人は絶対にお金を使い続けると思うから、時代によって配分は変わるけど、根源的な欲求は何も変わっていないから。

谷中:そんな中でベイクルーズとして取り組んでいくことは、何がありますか?

野田:いまお客様から支持されているお店って、お金出してでも欲しいと思わせていて、きちんと個性もあるし、何がしたいかが明確で、それが今の気分に合っているんですよね。自社でも多くのお客様に来て頂いてるお店って、これらがきちんとしていて、そこで一番しっかりしてるのって”ヒト”なんですよ、仕組みじゃなくて。仕組みで廻せるなら、効率主義のファストファッションが最強になってしまうから。僕らの会社は、今社員が4000人いるんですが世界中どこを探しても、4000人が物と生活にこだわっている会社ってほとんどないと思うんです。

谷中:日本のアパレル業界以外には見つけられないかもですね。

野田:こういう素養を持った人たちが成長していく環境を作ったり、成長欲求を持つ人たちが頑張れる会社にしていかなくては、と思っています。彼らが何かを作り出したり、紡ぎだしたりして形にしてお客様に届ける最後の人たちだから、彼らの成長なくして何も生まれないなって。ベイクルーズは2015年から「JOY FOR CREATION, JOY FOR LIFE」っていうスローガンを掲げていまして、物事を創造するとか考えるって楽しいじゃないですか?

谷中:楽しいですね。

野田それが自分の仕事になり、それなりの対価を得て、生活を楽しめるって良い仕事だなって思うんですよね。「もっと面白いこと考えなよ」って会社が言ってくれるなんて、最高ですよね。売ってる物は洋服でありファッションであり家具であったり、そういった”物”なんだけど、結局自分たちが人生を楽しめむための何かを自分たちが創意工夫をしてお客様に届けて、対価を頂くっていうことが根底なんだと思っています。たまたま僕らはそれが洋服だったり家具だったり、食べ物だったっていう会社なんです。

谷中:それは理想として、現実的に近づけていけている実感はありますか?

野田:いやぁ…、正直まだまだですけどね。

谷中:言葉としては、スッと腑に落ちるんですが、4000人すべてのスタッフが同じ思いの元進んでいくっていうのは、かなりハードルが高いですよね?

野田「やりたい」と「できる」は違うから、でも「できるようになりたい」って思えば一歩ずつでも進んでは行けますよね。だからまずは「できるようになりたい」って思ってもらうことですよね。ただキレイごと並べてるだけじゃ進めないので、現場の生々しい話を聞いたり状況を見ないといけないなとは思っています。

谷中:ベイクルーズは、社員の評価システムはしっかりしているんですか?

野田:明確な評価制度はありますし、今年指針を出したんですが、3つ4つくらいの名目で点数化されて店舗表彰もします。対価も得られるようにしています。ただ、これもあくまで仕組みなので上手く回さないと意味がなくて、その点ではまだまだの部分もあります。

谷中:ちなみに、プレスになりたいとか、バイヤーになりたいみたいな希望願い的なものは充実しているんですか?

野田:半年に一回異動希望を受け付けて、エントリーシートに記載して申請するシステムがありまして、30%弱くらいは実現しているんですよ。中には、これしかできないっていうスペシャリストも必要ですが、今後会社が目指す方向を考えていくと、あれもこれもできるっていう人が重要だと考えているんですよね。

谷中:華麗なる転身が社内で行われるのは面白いですし、人材としても強みを感じますね。

野田:人の多様性っていうのは欲しています。そうなると視野が広がりますから、これだけ消費の側が多様化している中で働いてる方がこれしか分かりませんじゃお話にならないですから。

谷中:なんか面白くなっていきそうですね。さて、では野田さん個人としては今後どうなっていかれるご予定ですか? 

野田:分からないですね…。

谷中:あれ? 相当お忙しそうですが、プライベートな時間は充実していますか?

野田:ヒドいですね。リビングのソファに今年入ってから一回も座ってないんじゃないかな。

谷中:もう帰って風呂入ってベッドで寝るだけの生活が続いてるんですか?

野田:そうですね。バスルームとベッドの往復のみ。

谷中:「野田シェフ」なんて呼ばれて、料理を作るので有名だった野田さんがキッチンも使わずですか?

野田:もう冷蔵庫の中飲み物しか入ってないですし、塩と砂糖は固まってるかもですし、食器や料理道具は埃かぶってるかもしれません…。

谷中:それって人として楽しいんですか?

野田それ考えると泣いちゃうから考えないようにしてるんですが、2〜3年は仕事と勉強に徹しようと考えていまして。

谷中:いつ頃からですか?

野田:2015年の5月以降、ガッツリと飲食を担当するようになってからですかね。色々とあって家に帰るのは12時過ぎでシャワー浴びて1時くらいに寝て、明くる日は朝7時には家を出ますから。

谷中:何で気持ちをリセットさせているんですか?

野田:してないですね…。去年は仕事と勉強しかしていなくて、今年は勉強時間を半分くらいに抑えて、友達とご飯に行ける時間くらいは作るようにしてます。桜新町のファミレスでコーヒー飲みながら1時くらいまで勉強する日が続いてましたからね。

谷中:サーフィンとか行けてるんですか?

野田:行ってないですね。今年はゼロ、去年は2回くらい行けたかな。

谷中:宮崎にサーフトリップしてましたよね?

野田:あれが去年の2回目で、今年も5月に一泊二日で宮崎に行く予定なんですが、それが2016年初サーフィンになりそうです。

谷中:他は? ゴルフとかは?

野田:去年は1回くらい…、春に誰かに誘われて行ったくらいです。

谷中:じゃあ、アクティブによく遊ぶことで有名だった野田さんが全く遊べていないんですね。

野田:全く。ヤバいですよ。ホントあと2年は走り続けるって決めてるんです。42〜43歳まで。

谷中:枯れちゃうんじゃないですか?

野田:大丈夫です。

谷中:充実はしているんですか? 仕事が大変でプライベートが潰れてしまっていても、達成感を得られることでカバーできるというか。

野田:そうですね。

谷中:買い物はしてますか?

野田:洋服くらいかな。そこから離れ過ぎるのは危ないなって思いますし、飲食においてファッション性が3番目くらいとは言え、自分がそこから離れてはいけないと思いますし、新しいお店ができたら必ずチェックするようにはしています。ファッションも飲食もトレンドと密接なのは否定できませんから。

谷中:その程度の買い物となると、貯金は増える一方ですか?

野田:メシで消えてる気がしますね。誰か連れて行ったら払う年齢になってきましたし。そこがストレス発散で、買い物に走ってるかもしれないですね。Amazonとかで結構高額な写真集を買ってみたり。写真集は増えましたね、人に勧められたりどこかで見て気になった写真集も2万円くらいだったらポンと買うようになってるかも。

谷中:そういう大人買いしてるんですね。では、家は本だらけ?

野田:勉強の本と写真集が机の上に積み上がってますね。まだ見てないものとか、Amazonの箱に入ったままのとかが…。

谷中:まぁ、じっくり読む時間もそんなにないでしょうからね。

野田:あと、先日仲の良い友人達と一緒に京都に行ったのですが、そこで美味いものを食べたり、骨董を買ったりとか。

谷中:もう、ジジィじゃないですか? 

野田:ただ、全然遊んでないですね。そぅーっと生きてますね。ただグッと詰める時期っていうのは必要だと思うんですよ、今後のことを考えると。

谷中:そうですね。ちなみに30代の10年間を経て、これから迎える40代ではどんな風になっていくんですか?

野田:イェーっていうノリで生きてきた人って重みとか厚みを感じないじゃないですか? 後に何も残らないし、だから自分自身が裸でも勝負できるくらいの内容になっておかないといけないから、その土台作りのために2年くらいは遊ばなくてもいいやっていうのが今なんです。修行の期間で、この間に自力を蓄えようと思っています。正直いまの肩書きにまだまだ自分の実力はそぐわないなって思うわけです。1000億円規模の会社でこんな肩書きを与えて貰える実力があるとは思ってなくて、早くそれに見合った実力をつけなくちゃいけないなと思ってるんです。肩書きが人を作るじゃないですけど、おかげで努力できてるとも思っていますけど。

谷中:いい意味でのプレッシャーっていうのは大きいですからね。でも、これからの野田晋作は面白くなりそうですね。期待しています! 今日はありがとうございました。

野田さんの仕事に欠かせない道具
野田さんはアンチMACで、SONYのVAIOを使用。メモや勉強の際はオーセンティックなCampusのリングノートを使い、ペンは消せるタイプの3色ボールペン。全然オシャレじゃない(笑)。そこを敢えて攻めるところが野田氏らしいんですが…。

Text:Rtutaro Yanaka
Photo:Yozo Yoshino

野田晋作
ベイクルーズ上席取締役

プレスやクリエイティブ部門の統括責任者を経て現職。現在は主に経営企画、飲食、フィットネス部門の事業責任者を兼務し、3月からはプレスのオブザーバー的ポジションも。趣味はサーフィン・料理・トライアスロン。

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