シュウマイを食べたい夜は 革ジャン羽織って本牧あたりをぶらぶら
革ジャンが似合う男になりたい。レザージャケットではなく革ジャンだ。『傷だらけの天使』でショーケンが着ていたアレ。幸せの黄色いハンカチで高倉健が着ていたアレ。そう、襟にボア付きのこやつがオリジナル。USN(米海軍)のG1ジャケットで1970年製のヴィンテージだ。革ジャンの着こなしは、マイスタンダードなグレーパンツに黒のレザーシューズ。色は合わせず、黒靴を履いてハズすのがいいのだ。
こんな男くさい革ジャン姿で向かったのはヨコハマ。なぜか無性にシュウマイが食べたくなる。となると中華街へ行くのが平成スタイルだが、俺の昭和魂を刺激するのは本牧。石川町のトンネルを抜けると怪しげな黄色い灯りが目に染みる昭和な中華の「奇珍」だ。
店内壁の昭和なメニューを見ると、どれも美味そうで迷ってしまう。まずはシュウマイを注文。
ヤバい! 美味すぎる。ジューシーで甘みのあるこいつにはやはりビールがすすむ。
店内も昭和でいい感じだ。俺はシュウマイを食べながらチャーハンとワンタンメンを追加注文してみた。
チャーハンもヤバすぎる。チャーシューの赤味が米全体に広がり、なんとも美しいルックス。出来立てのチャーシューを白飯にまぜて仕込んだ手間のかかった一品だ。美味すぎる。
ワンタンメン、さらにヤバうま。ワンタンの他に、この巨大なシナチク。甘みがありこれをつまみにしてさらにビールが飲めそうだ。自家製の細麺が見た目も美しいスープにからみ完全にノックアウト。
ここで「奇珍」の歴史をちょろっと。創業者の黄遠光さんは、大正6年に中国より来日。本牧小港に中国料理店を開店した。山手警察の先あたりで、当時ここは海岸だったのだ。その後、昭和20年の大空襲で消失し、駐留米軍の接収地となり麦田に移転。1999年に黄さんは永眠され、現在は黄家3世の姉兄弟が店を継ぎ奇珍の味を守っている。戦後本牧にあった多くの中国料理店が、観光客目当てに中華街へ移転した時、黄さんは、ここ本牧にこだわり移転しなかった。そんな本牧を愛した男の生き様までも味わえる昭和中華。俺は店を出た後、本牧のバーで一杯ひっかけヨコハマがまた好きになった。
USN G1ジャケット。米海軍のフライトジャケットで軍モノには珍しいタイトな作り。原宿の名店ベルベルジンにてほぼデッドストックの状態で数年前に購入。これからクタクタになるまで育てていきたい愛すべき革ジャン。
Photo & Text:Eiji Katano
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今回のアニキおすすめの店
「奇珍」
神奈川県横浜市中区麦田町2-44
Tel. 045-641-4994
営業時間 月~土11:30~15:00 17:00~21:00
日・祝 11:30~21:00
定休日 木曜
プロフィール
片野英児(かたのえいじ)
1968年生まれ。昭和とメンズ服飾を愛してやまない47歳。小誌編集長の干場(ほしば)がアニキと呼んだことから、いつしかアダ名がアニキに。趣味は、スナックで昭和カラオケ。呑みすぎると、歌いながら、なぜか干場と泣き合う熱き男。好きな場所は軍艦島。