野村：これはオーダーメイドなんですよ。大阪のBESPOKE TAILOR DMGというテイラーにオーダーしているんです。10年前に知り合ってからずっとここの職人さんにお願いしているのですが、もうここのスーツしか体に合わないんですよね。
干場：確かに、普通の人とは筋肉の付き方が違いますもんね。
野村：そうなんです。他にも色々なブランドでオーダーメイドスーツは作ってもらったことがあるんですよ。というのも、オリンピックで優勝したりすると年配のおじ様たちが「優勝したんやから、一着良いスーツを仕立てたるわ！」と親切に言ってくれるんです。お祝い事には「スーツおじさん」の存在がつきものなんです（笑）。
石田：スーツおじさん（笑）。
野村：そのスーツおじさんに作っていただいて大切に着ていたものもあるんですけど、やっぱりちょとした素材の違いで、体に合わないということも多々あって。最終的に、アスリートの筋肉の付き方を熟知している今のテイラーさんにお願いしていますね。
干場：本日のスーツは本当にシンプルで素敵ですよね。このシンプルな着こなしこそ、僕が常に本誌FORZA STYLEで勧めている着こなしなんですよ。映画「007」のダニエルクレイグもシンプルにスーツを着こなしていますしね。野村さんのスーツといえば、派手なのかなと思っていたんですが、普段からシンプルなんですか？
野村：今日はシンプルなスーツと派手なスーツを持ってきたんですけど、マネージャーに「シンプルな方でいきましょう」と言われたんです（笑）。
干場、石田：（笑）。
干場：シャツや時計はどちらのものですか？
野村：時計はフランクミュラーのものです。シャツはやはり体型に合わせてオーダーメイドです。既成のものだと入らないんですよね...。あと、最近ヤバイなあと思うのは、引退してから体型が変わってきたのでこれまでのシャツが合わなくなってきているんですよ。引退前は、誰に頼まれなくても飲み会があれば脱いでいたのですが、最近は脱げなくなってきてしまいました...（笑）。
干場：では、本誌FORZA STYLEは40代のビジネスマンが読者層なのですが、読者の方に向けて野村さんの成功哲学、セオリーをお伺いできますでしょうか。
オリンピック3連覇、野村忠宏の成功哲学とは!?
後編をお楽しみに!!
Text：Yuko Nishiuchi
Photo：Naoto Otsubo
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著書『戦う理由』
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【野村忠宏（のむらただひろ）プロフィール】
柔道家。1974年奈良県生まれ。祖父は柔道場「豊徳館」館長、父は天理高校柔道部元監督という柔道一家に育つ。アトランタ、シドニー、アテネオリンピックで柔道史上初、また全競技を通じてアジア人初となるオリンピック三連覇を達成する。その後、度重なる怪我と闘いながらも、さらなる高みを目指して現役を続行。2015年8月29日、全日本実業柔道個人選手権大会を最後に40歳で現役を引退。ミキハウス所属。
▶︎野村忠宏オフィシャルサイト
http://www.nomuratadahiro.jp/
【著書『戦う理由』（amazon 単行本はコチラ Kindleはコチラ）】
人並みより小さな体で柔道を始め、中学時代には女子選手に負けるなど敗北を続けながらも努力を怠らず、アトランタ、シドニー、アテネの3大会で、オリンピック柔道史上唯一の3連覇を成し遂げた野村忠宏氏の半生と、アテネ大会後、4連覇を狙う北京五輪へ向けての稽古中に右膝前十字靭帯を断裂、その後も右肩甲下筋腱断裂などの怪我に直面しながら、怪我や年齢による衰えとの苦闘、心の葛藤を抱え
ながら「自分の柔道」と向き合いチャレンジしてきた道のりが明かされています。戦い続けてきたことで見えてきた「戦うこと」の意味、たどりついた境地が、五輪柔道3連覇という前人未到の偉業をなしとげ40歳を過ぎるまで現役と真剣勝負にこだわってきた著者ならではの力強い言葉で明かされており、人生という長い戦いに打ち勝つ勇気が湧いてくる必読の一冊。
【西内悠子・ライタープロフィール】1988年、兵庫県西宮市出身。同志社大学文学部哲学科卒。avexへの就職を期に上京し、3年半のOL経験を経てフリーライターとなる。在学時に自身のアメーバブログが大学生ランキング1位を獲得。会社員時代、dマガジン「Hot-Dog PRESS（講談社）」にて「おじさんハンター」として連載をしていた。
