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「ドタキャン彼も受け入れろ!」
ソクラテスならこう言うね
〜恋愛・ビジネス相談所〜

2016.2.13
2016.2.13

ドタキャン彼に怒るのは
あなたが常識に執着しているから

カント、デカルト、ニーチェにソクラテス...。歴史上の哲学者たちは、あまりに偉大ですが、いまその肉声を聞くことはできません。

でも安心してください。分厚い哲学本に閉じ込められた賢人の知恵を、わかりやすく教えてくれる哲学者が、この極東の日本に存在します。その名も、小川仁志先生。

小川先生は京大卒業後のバブル華やかなりし頃、「伊藤忠商事」に入社するも退職し、その後4年ものフリーター生活を経て名古屋市役所に入庁。その後哲学者となった異色の経歴の持ち主です。

そんな人生経験豊富な小川先生だからこそ、ミドルエイジの恋やビジネスの悩みを、哲学者の教えを引きながら的確に解決します。

さて、第4回目の相談者のお悩みを紹介しましょう。

Q.彼にドタキャン癖があって辛いです

こんにちは。社会人2年目、たまに読者モデルの仕事をしながら事務職で働いています。今、40歳の彼と付き合っているのですが、彼はとても忙しい人でなかなか思うように会えません。約束をしたとしても、1時間前にドタキャンされることもしばしば。正直、大好きな彼に会うためにシャワーをあびて、メイクをして待っているのにドタキャンされると精神的にキツイです。他の予定を断って彼との予定を優先させているのに、ドタキャンされるんだったら、他の予定を優先させておけばよかったと思うと、悲しさと悔しさと怒りが込み上げてきます。こんな彼にイライラせず上手に向き合うためにはどうしたらいいでしょうか。

 

A.ドタキャン? それをデフォルトにすればいい

なんだか自分の若いころを思い出して、胸が痛くなります。あ、私の場合ドタキャンされてたほうなのですが...。これはぜひ被害者の側に立ってお話ししたいと思います。

ドタキャンがダメなのは、相手の心をくじくという点ですよね。相談者さんのようにせっかく色々準備して、気持ちも高ぶっているのに、それをくじく。これは恋愛に限らず、とてもショックなことです。親の仕事の都合で、子供が楽しみにしていた旅行に行けなくなるとか、歌手が体調不良でコンサートがキャンセルになったとか。

ただ、ドタキャン癖のある人と付き合っている場合は、日常的にそういうことがあるというのが問題です。ちなみに、今からお話しするのは、あくまで悪気なくそういう癖のある人への対処法です。たとえばドタキャンして別の女性と会っているような悪いやつは論外です。そんなやつとはさっさと別れればいいと思います。そうではない場合で、かつその部分以外は彼のことが大好きだというのなら、もう発想を変えるしかないと思います。

そこで参考になるのが、近世フランスの哲学者デカルトの最後の著書『情念論』です。デカルトは、「我思う、ゆえに我あり」という有名なフレーズが出てくる『方法序説』で有名なのですが、今日は情念、つまり感情の話です。愛という感情の本質から説いていきましょう。


デカルトによると、愛とは「みずからに適しているように見える対象に、意志で結合しようとさせる」感情を意味します。簡単にいうと、相手とつながろうとする気持ちということです。これはよくわかると思います。精神的にも肉体的にも、私たちは愛する人とつながろうとする。だから一緒にいたいのです。

デカルトの思想がユニークなのは、このとき「ある一つの全体が想像されていて、自分はその一つの部分にすぎず、自分の愛するものがもう一方の部分である」と考えているところです。つまり、自分と愛する相手の二人が合わさってはじめて全体になるというイメージです。その状態になるように相手を求める意志。これが愛にほかなりません。

二人合わさって一つだなんて、ロマンチックですね。でも、裏を返すとそれは、相手を常に自分の中に所有しておきたいという欲望でもあります。ところが、実際にはそんなことは不可能です。特に付き合っている段階だと、たまにしか会えないでしょう。だから不安になるのです。それでまた余計に一緒にいたいと強く願うようになる。そうなると苦しくなってくるのです。デカルトは、「ある善の所有を持続したいという『欲望』に結びつく一種の不安」のことを「執着」と呼んでいます。

ドタキャンの彼にイライラするのは、そんな「こうあるべき」という執着にとらわれているからではないでしょうか。デカルトにいわせると、何かに執着することのデメリットは、些細なことを大きな問題にしてしまう点だそうです。たしかに物事はこだわりすぎるとよくありません。非本質的な部分にこだわりすぎることで、本質的なものを失ってしまう。そんな経験ありませんか? 

だから本当に好きなら、多少のことは気にせず、自分の意志を貫くべきなのです。それは決して我慢せよということではなくて、それが彼のデフォルトとだと思って慣れるのが一番だということです。「はい、またいつものね」という感じで。我慢だと辛いだけですから。

さらに気持ちのうえでそれをデフォルトにするだけでなく、ダメージを最小限にするために、リスクヘッジしておくことをお勧めします。たとえば、準備したものをほかでうまく使えるようにしておくとか。おいしいケーキを作って準備したようなときは、急きょ女子会を開けるよう探っておくとか。せっかくおしゃれしたなら、普段着ではなかなか入れないお店に行ってみるとか。

こういうのをプランBといいます。プランAがダメならすぐ切り替えるBackupという意味です。プランBを用意しておくと、心理的にも楽ですし、実際にエネルギーや時間のロスがありません。その結果、彼に対しても怒りをぶつける必要がなくなります。

大変かもしれませんが、そうでないとこういうタイプの人とはやっていけませんし、長続きもしません。特に私の経験からも結婚したような場合はね。私の妻は付き合っていたころ、ドタキャンどころか連絡もなしに現れないということがしばしばでした。当時はケータイもなく、何時間も待たされた挙句、結局来ないのです。そのうち私も慣れてきて、待ち合わせには必ず本を携え、読書するつもりで出かけるようになりました。イライラしなくて済むようにするためのプランBです。私の場合BookのBですが。そんな性格であることを承知で結婚したので、きっと今も長続きしているのだと思います。

・第1回はコチラ「仕事が面白くなくて夜な夜なクラブに逃げてしまいます」
・第2回はコチラ「恋と仕事は両立するな!」
・第3回はコチラ「イジメるお局への対処法はこうだ!」

【小川仁志 プロフィール】
1970年京都市出身、京都大学法学部卒。伊藤忠商事に入社するも退職し、4年間のフリーター生活を経て名古屋市役所に入庁。その後名古屋市立大学大学院博士後期課程を修了し、博士号取得。2015年には山口大学国際総合科学部准教授となる。専門は公共哲学、および政治哲学。商店街で哲学カフェを主宰するなど、市民のための哲学を実践している。哲学に関する著書多数。

 

Text:Hitoshi Ogawa
Photo:雪ボタン、Getty images

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