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「イジメるお局への対処法は、こうだ!」
ソクラテスならこう言うね
〜恋愛・ビジネス相談所〜

2016.1.30
2016.1.30

職場のイジメ
お局への対処法は、こうだ!!

カント、デカルト、ニーチェにソクラテス...。歴史上の哲学者たちは、あまりに偉大ですが、いまその肉声を聞くことはできません。

でも安心してください。分厚い哲学本に閉じ込められた賢人の知恵を、わかりやすく教えてくれる哲学者が、この極東の日本に存在します。その名も、小川仁志先生!!

小川先生は京大卒業後のバブル華やかなりし頃、「伊藤忠商事」に入社するも退職し、その後4年ものフリーター生活を経て名古屋市役所に入庁。その後哲学者となった異色の経歴の持ち主です。

そんな人生経験豊富な小川先生だからこそ、ミドルエイジの恋やビジネスの悩みを、哲学者の教えを引きながら的確に解決します。

さて、第3回目の相談者のお悩みを紹介しましょう。

連載・第1回はコチラ「仕事が面白くなくて夜な夜なクラブに逃げてしまいます」
連載・第2回はコチラ「恋と仕事は両立するな!」

Q.先輩にイジメられてしまいます

Q.こんにちは。新卒1年目のOLです。私はまだ入社したばかりなのですが、部署にいる35歳のお局さんにイジメられています。私は定時までに仕事を終わらせ帰るのですが、先輩はそのことが気に食わないみたいで、帰ろうとすると私がやらなくてもいいような雑用を押し付けられてしまいます。1年目なので言われるがままに雑用もこなしているのですが、明らかにイジメとしか思えません。どうすればいいでしょうか。

 

お局は、修行だ、修行だ、修行だ!

出たー! 今回はお局問題ですね。これは本当にどこの職場でもあることで、男女問わず多くの人が頭を抱えていることと思います。かくいう私もどこの職場に行っても、常にお局にいじめられてきました。商社、市役所、学校と様々な業種を渡り歩いてきましたが、どこにでもいるのです。


そもそもお局というのは、その職場に長くいる女性職員を指すわけですが、語源は江戸時代に局という個室を与えられた女官にさかのぼることができます。そこで今回は、同じ江戸時代の哲学にヒントを得ようと思います。え、江戸時代に哲学が? なんて思う人のために、少しお話ししておきますと、日本の思想だってれっきとした哲学なのです。仏教だってそうだし、国学だってそうです。

ということで、今回参考にするのは、山本常朝が著した武士道思想の神髄、『葉隠』です。正確にはこの本は彼の言葉を聞き書きしたものですが、まぁ常朝の著書ということでいきたいと思います。

『葉隠』は武士の精神について論じているのですが、平和な江戸時代の武士たちは、私たちと変わらないサラリーマンみたいなものです。ですから、結構現代でも当てはまることが多いのです。たとえば、こんなことが書いてあります。

「つまらぬ役を与えられた時には気分を腐らせてしまうことがある。これがよくない。もったいないことだ」

こういう人、いますよね。大事な仕事を任せてもらえないと、すぐに腐ってしまう人。それでまた評価が下がるのに。武士も同じなんですね。あるいはこんなのもあります。

「近頃の男を見ると、いかにも女性のように思われる者が大部分であって、これぞ男と思えるような者はまれである。だから近頃は少しの努力で、簡単に人の上に立つことができる」

もう江戸時代から男は軟弱になりつつあったのですね。そりゃまぁ戦国時代の武士に比べたらということなのでしょうが。草食系武士が増えていたのかもしれません。そこで、お局にいじめられている相談者さんには、『葉隠』からこんなアドバイスをしたいと思います。

「これが武道に丈夫なり、毎朝毎夕、改めては死に死に、常住死身になりて居る時は、武道に自由を得、一生落度なく、家職を仕果すべきなり」

つまり、毎日死ぬ気で武道に励むことで、ようやく奉公を成し遂げることができるという意味です。今の時代に置き換えると、毎日苦しみながら一生懸命働くことで、ようやく一人前になれるということだといえます。

だって、会社の仕組み上、お局はどこにでもいるのです。多少不合理でも、その試練に耐えることが、自分を強くするわけです。人生不合理なことだらけです。その都度メンタルヘルスを損なって休んだり、逆にキレて怒鳴ったりすると、評価が下がるだけです。その職場で勤め上げるには、ぐっと耐え忍んだほうがいいのです。ちなみに、私も仕事を休んだり、怒鳴ったりして失敗を重ねてきました。そしてその都度、後悔してきました。

武士ではないですが、もうこれは修行ですね。そのうち経験を積めば、お局のターゲットではなくなります。実はそれが自分の成長をも意味しているのです。お局にいじめられるうちは修行が足りないわけです。

とはいえ、度を越したものや、どうしても譲れない意見があるときは、覚悟を決めて戦うべきでしょう。ここは武士道を発揮すべきところです。『葉隠』にもこんなことが書いてあります。

「先年、重要な会議があったときに、ある者は自分の意見が容れられない場合は、頭取(ちょんまげ)をも斬る覚悟で、その意見を通したことがあった」

武士にとってちょんまげを切るというのは、大変なことです。辞表を出すくらいの意味があります。やるからにはそれくらいの覚悟がいるということです。その代わり、本当に正しいことを主張していれば、きちんと意見が通るはずです。でも、それは最後の手段としてとっておけばいいじゃないですか。いちいちちょんまげを切っていては、ずっと禿げたままです。よほどのことがない限りは、これも修行と前向きになることです。

その姿を周りの人たちはよく見ていますから。上に立つ人ほど性格が温厚ですよね。上に立って人を引っ張っていくためには、人格者であることが求められます。人格者とは、我慢ができ、人の気持ちがわかる人です。そんな人格を鍛えるには、お局はいい訓練相手です。それくらいの気持ちで接していればいいのです。今度いじめられたら、逆に心の中で感謝してみてはどうでしょう? 「私の人格を鍛えてくださってありがとうございます」と。なかなか難しいですけどね。でも、もしそう思える日がくれば、あなたにはもう十分人の上に立つ資格があるといえるでしょう。

私も45歳になって、さすがにお局にいじめられることはありませんが、今一番恐れているのは、かつて私をいじめてくださったお局のお姉さま方にこのコラムが見つかることです……。あらかじめ謝っておきます。いや、お礼をいっておきます。「皆さんのおかげで、成長しましたよ!」

 

Text:Hitoshi Ogawa
Photo:雪ボタン、Getty images

 

【小川仁志 プロフィール】
1970年京都市出身、京都大学法学部卒。伊藤忠商事に入社するも退職し、4年間のフリーター生活を経て名古屋市役所に入庁。その後名古屋市立大学大学院 博士後期課程を修了し、博士号取得。2015年には山口大学国際総合科学部准教授となる。専門は公共哲学、および政治哲学。商店街で哲学カフェを主宰する など、市民のための哲学を実践している。哲学に関する著書多数。

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