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みうらじゅん×干場対談
「酒とオンナと仕事の話」

2016.1.25
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こじらせてる童貞とあまりこじらせてない童貞がいるんだよね。それはゆるキャラと同じようにゆるいキャラとゆるくないキャラがいるのと同じ。そういう風に線を引きたかったんだよね。

ゆるキャラの話をすると、いまって仕掛けが全部見えちゃうから、「あの人儲かってるんでしょ」みたいな事をすごく言われたんです。別にそんな儲かってないし。そんな事で儲けてたらあんな事になってないし。無法地帯になってあんな事になってブームになったわけだから。ブームを仕掛ける人=儲かるって事がそもそも間違ってるんだよね。そうじゃなくてすごく匿名性があるようなフリを見せてた方がいいんじゃないかなと思うんだけどね。

干場:ヒントがいっぱいありますね。でもみうらさんのように、自分で考えたことを実践しないと意味がないですよね。

みうら:有名になりたかったと言って、何か人を殺したりする人もいるじゃないですか。そんなもん裸で街歩いたら、1日で有名になれるのに。もっと手軽な事で有名になったりしたらいいのにね。もっとすごく身辺探ってみたらすごく簡単な道ってあると思うんだけどね。みんな遠くで見てるから、上手くいかないんじゃないかな。アウトドア般若心経なんてどうなるかわからない事がおかしいわけで、それがフアン(不安)タスティックという面白さにつながる。自分こんな事やってて何回も不安な事あったはずなのに、気がついてないって事がラッキーな事だったから。「みうらさん、大丈夫?」ってみんな思ってたんだと思いますけどね。でもそれは次々になんか興味があるようなフリをしてたから、通り過ぎて行ったんだと思うんですよね。

山本:一体、何が何やらわからなくなってきました(笑)。みうらさんが本当に興味があるのは怪獣なんですか。

みうら:ほんとに興味がある事は「ない(存在しない)」ということだと思うんですよね。昔から「ない」事に興味がすごくあった。やっぱりそれは般若心径じゃないけど、空(くう)って言葉は「無い」っていう意味なんだけど、それが駐車場では、空有り(くうあり)という使われ方もする。まぁ当然周りからは、「空有り(あきあり)」って意味だろ! と突っ込まれますが、いや「くうあり」だと思い込む事が大切だよね。「くう(存在しないもの)がある」ってすごい事ですよ。下に問い合わせ先が書いてあるの。たぶんそこに電話したら、仏教の真髄を教えてくれると思うのあれは。「無い事がある」というのは深いです。

みうら:今度「変態だ」っていう映画作るんですよ。僕の原作で安斎さんが監督で。今年のキーワードは「変態」ですよ。変態が良いみたいな事になると思うんだよね。変態ファッションとか来ると見たね。「あの人、変態で良いよね」って事がくると思うけどな。みんな変態になりたいけどなれないからね。変態には才能がいるから。ライトな変態にみんな憧れるんじゃないかなと思うけどね。

干場:たしかに、突き抜けた変態は、アートでもどの業界でも活躍していますね。やっぱり、抜群に面白いし。

みうら:魅力的な人って変態だから。自分は変態じゃなかったんですごく憧れてたから。SとMの間にNがあると気が付いたんですよ。それはノーマルなんですよ。ノーマルだったらドNになろうと思って。

山本:でも、全然ノーマルっぽくはないですよね。

みうら:ノーマルっぽくではないように自分でしたんです、いろいろ勉強して。こんな髪の毛伸ばしてても夏暑いしさ、昔だったら髪の毛伸ばしてたら「ロックとか好きなんですか?」とか聞いてくる人いたけど、今の人って分かんないみたいだから。「なんのために暗いのにサングラスかけてるの?」って聞かれたこともありますけど、根は至ってドNなんだよね。

ファッションの話

干場:みうらさんはファッションも独特ですが、いまお召しのシャツはどこのブランドですか?

みうら:どこなんですかね、Paul Smithとかだったかな。Paul Smithはボブ・ディランが好きなんだよね。

干場:ジーンズは?

みうら:どこのですかね。ほとんど伊勢丹メンズ館で買ってるだけなんで。伊勢丹メンズ館しか行かないですよ。俺ほど通ってる奴いないと思います。

干場:あのメンズ館の一番上の8階にあるサロンドシマジって所行った事ないですか。

みうら:行った事ないです。

干場:あそこのシマジさんて人が作家なんですけど、週刊プレイボーイの元編集長で今70いくつかと思うんですけど、スパイシーハイボールって飲めるんですよ。ハイボールに胡椒が入ってるんですけど。

みうら:おお、今度行ってみます。

干場:みうらさんといえば高円寺あたりの中央線沿いで服を探しているのかなと思っていました。

みうら:意外にメンズ館しか行ってませんから。周りの店とか行かないですから、そこでコートとかも全部買って。

干場:眼鏡はどこのやつですか。

みうら:これは白山。ずーっと昔から白山。もう白山から変えた事1回もない。原稿用紙はコクヨ。ずーっと小学校1年からコクヨ。

山本:今でも原稿は手書きなんですか。

みうら:はい、手書き。手書きでこの間since入れた原稿用紙作ったから。俺のオリジナルの原稿用紙作ったんです。

干場:(みうらさんのエロスクラップをみながら)これは誰が撮ったんですか。すごく良い写真ですね。

みうら:それはずいぶん昔の写真ですね。それがもう458巻くらい行ったから。たぶん今年中に500巻には行くと見てるんですよね。なんかどこかの体育館を借り切って、変態が下着とか盗んで押収されてるやつあるじゃん。あれみたいに展覧会やろうと思って。

酒の話、安斎さんとの喧嘩の話

山本:そんなみうらさんは、お酒は飲まれるんですか。

みうら:はい。以前はもう冷酒ばっかり飲んでました。俺、ビールが飲めなかったので。出だしから冷酒だったから、すぐに十二指腸潰瘍になって。今は焼酎に落としてますけど、全然おいしくないです。酒の味なんて1回も美味しいと思った事ないし、日本酒も全然美味しいと思った事もないんですけど、酔うために飲んでるからキツイ方がいいんですよ。

干場:どんだけ激しい飲み方ですか(笑)。焼酎はお湯割りとか?

みうら:しょうがないから、いつも水割りですよ。3 年前に安斎さんと沖縄で殴り合いの喧嘩になって。「勝手に観光協会」というのをTVでやってるんですけど、それで沖縄ロケに行ったとき、ロケが早く済んで、夕方くらいから飲み屋入って飲みだして、泡盛を4本あけたんですよ。お酒を作ってるやつも飲んでるから、はじめは水割りだったのにいつの間にかロックになってるんです。 当然ロックで飲むとロック談義になるんですよ。それでカーッときて、大喧嘩になって店でえらい騒ぎにになって、「表出てください」とか素で言われて。

そのときに同行してたカメラマンが「みうらさん、(このシーン)止めますか?撮りますか?」って言うから、 「撮って!撮って!」って言って、その瞬間をまとめた写真集を作ったんですよ。喧嘩写真集。いい歳こいた親父がお互いをつねったりしてるやつ。血だらけになって、歯も折れたし俺。でも、ピューリッツアー賞みたいにいい写真が撮れてるんですよね。

干場:お二人は、喧嘩するほど仲がいいということで大丈夫でしょうか?

みうら:仲良いんですけど、安斎さんも俺も今年62ですから、 これはちょうど野坂昭如さんと、大島渚の一騎打ちがあった年齢じゃないですか。俺昔TVで見た時に「こんな大人になりたいな」ってずっと思ってたら、なった。すごい嬉しくて。しょうがないなみたいな喧嘩してる人もそんないないですからね。流行ってないじゃないですか、喧嘩。だからインパクトあるんですよね。しかも酒飲んでる人も少なくなりましたしね。いい歳こいて酒飲んで喧嘩してる人って、もう見かけないから景気が良い感じはしますよね。

当然これがバカ売れすることはないと思いますけど、でもこんな写真集があってもいいんじゃないですか。今写真集ってネットのやつで一冊でも作ってくれるもんね。出来るんですよね色んなことが。本や雑誌もだいぶ厳しい状況になっているけど、逆転の発想で考えればもっともっと面白いことができると思う。ジローラモがバーン!って殴られてる写真で、鼻血ブワーって出てて、でもファッションはおしゃれ。そういうアバンギャルドなものを作って欲しいよね。

干場:ファッションとケンカの融合! 新しすぎますね。逆転の発想こそ、新しい価値観を作るという今日のお話、非常に貴重なヒントになりました。さっそくFORZAでも応用します。それと、ぜひ今度飲みに連れて行ってください。でも、ケンカはなしでお願いします(笑)。

Text:Makiko Yamamoto
Photo:Naoto Otsubo
Edit:Yuko Nishiuchi

 

【みうらじゅん プロフィール】
1958(昭和33)年京都府生れ。イラストレーターなど。武蔵野美術大学在学中に漫画家デビュー。 1997(平成9)年「マイブーム」で新語・流行語大賞、2004年度日本映画批評家大賞功労賞を受賞。著書に『アイデン&ティティ』『青春ノイローゼ』 『色即ぜねれいしょん』『アウトドア般若心経』『十五歳』『マイ仏教』『セックス・ドリンク・ロックンロール!』『キャラ立ち民俗学』など多数。共著に 『見仏記』シリーズ、『D.T.』などがある。
著書「『ない仕事』の作り方」(Amazon 単行本はコチラ Kindle版はコチラ

<編集 山本真紀子プロフィール>

山本真紀子(やまもとまきこ)早稲田大学卒。某メガバンク総合職退職後、株式会社JunoJapan設立。アパレルブランドPR等ファッション関連ビジネスを経て、ライフスタイルマガジン「ADVENTURE KING」編集長(2012〜現在)/女性誌「MARIA oriente」編集長。趣味ランニング、飲酒。旅とワインをこよなく愛する冒険野郎。

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