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FASHION

【連載】昭和なアニキが語る定番服と昭和B級グルメ
「アニ散歩」
第4回 US NAVYのPコートと黒ホッピーにやきとり

2016.1.13
2016.1.13

黒ホッピー発祥の店で、Pコートの襟を立てながら想う
「焼き鳥とやきとりは、別の食べ物だと……」

定番服にも歴史があるように、食べ物やお酒にも意外なストーリーがあるもの。長い時間をかけて愛されているものには、やはりそれなりの理由があり、そんなルーツを探るのって男の浪漫なんだよなあ~。

ということで、今日着ているPコートは1940年代のアメリカ海軍のヴィンテージもの。多くのブランドやデザイナーが元ネタにしているあれですね。PコートのPってどんな意味なんだろう~ってつい気になってしまうんですが……。Pとは、オランダ語で粗い毛織物(PEA)というのが語源なんだとか。15世紀のオランダの漁夫や水夫が着ていた防寒着が発祥。その後、英国海軍が採用し、海を渡ったアメリカ海軍のものが現在定番とされているPコートの原型である。やはり男の中の男服。こやつは高密度なメルトン生地に当時のものとは思えないタイトな身幅と大きな襟が男らしさを際立てるのだ。軍モノの古着といえば作りが大きめで野暮ったいイメージがあるが海軍モノはタイトなものが多いので逆に今っぽい。

着こなしは、コートのボタンは全留め。襟を立てネイビーと白の2色だけにして潔くシンプルに。ボトムは濃いインディゴの501にシューズはオールホワイトのコンバース オールスター。やはり定番×定番は色数を少なくしてモダンに見せるテクが必要。気を付けないと昭和酒場に馴染みすぎの、ただの古い男になるので要注意。

そんなPコートを着て今回は、黒ホッピーが誕生した恵比寿の名店「たつや」へ行ってみた。なんと、ここは恵比寿で朝8時から飲める昭和遺産的な大衆酒場。ホッピーをわかりやすくいえば、ビールテイストの焼酎割り飲料。ビールがまだ高級品だった昭和23年に発売され、ビールの代用品として大衆酒場で愛されたまさに昭和の酒である。

昭和51年に開店した当初からホッピーを扱い、ホッピービバレッジの会長から正統な「3冷」という飲み方を伝授され、ジョッキ専用の冷蔵庫を進呈された店なのだ。「3冷」とは、ホッピーと焼酎とジョッキの3つを冷やして飲む、もっともホッピーを美味く飲むスタイル。氷を入れずに飲むのが正統派と言われている。ちなみに俺は氷を入れる邪道の飲み方をする時もあるがファッションと同じで、自由でいいと思っている。合わせる焼酎も会長からのアドバイスとしてキンミヤを使用。今では通常のホッピー同様に飲まれている黒ホッピーは、元々ここ「たつや」でホッピーにギネスを足して出していたオリジナルメニュー。それを知った会長は、お店との縁もあり、平成4年に黒ホッピーを作ったのだ。まさに人と人との出会いが新しい定番を誕生させたストーリーを想いながら、3冷で飲む黒ホッピーは格別な味がするのである。

そしてこの黒ホッピーに合うのが「やきとり」。焼き鳥ではなく、ひらがなで「やきとり」だ。漢字の焼き鳥は文字通り鳥肉だが……、「やきとり」は主に豚肉のホルモンなのだ。使う文字で、異なる食べ物になるのもその発祥に由来している。昭和創業の大衆酒場で「やきとり」と表記されていると間違いなく鳥肉ではなく「やきとん」なのだ。やきとり日本一と名乗っているここでは「やきとり」のとりを、「肝裏」と書き、「はらのうち」、つまりは内臓と説明している。

また戦後当時、鳥肉も豚肉も高級品で一般庶民は食べれなかったため、豚のホルモンを串焼きにしたのが「やきとり」のはじまりと言われているのだ。その後、鳥肉を串刺しした焼き鳥が誕生し豚のホルモン串焼きはやきとんと呼ばれていたが、どうもピンとこないということからひらがなで「やきとり」と呼ぶようになった。昭和酒場で昭和の歴史を感じさせる「やきとり」と黒ホッピーはやはり男の浪漫なのだ。


黒ホッピーはキンミヤで割った3冷のジョッキ飲みが正統スタイル。氷を入れないほうがホッピー本来の旨みが味わえるもの。やきとりは豚のシロをタレで洋カラシをつけながら食すのが昭和スタイル。


通称10ボタンと呼ばれるUS NAVYのヴィンテージ。タイトな身幅なので薄手のニットの上にちょうどいいサイジング。タマ数が多いので古着屋でコンディションのいいものが比較的簡単にみつかる。

Photo & Text:Eiji Katano

今回のアニキおすすめの店


「たつや駅前店(1F)」

東京都渋谷区恵比寿南1-8-16 STM恵比寿ビル 1F
Tel. 03-3710-7375

営業時間 [月~土] 8:00~翌5:00
[日・祝祭] 8:00~22:00
定休日  無し


プロフィール

片野英児(かたのえいじ)
1968年生まれ。昭和とメンズ服飾を愛してやまない47歳。小誌編集長の干場がアニキと呼んだことから、いつしかアダ名がアニキに。趣味は、スナックで昭和カラオケ。呑みすぎると、歌いながら、なぜか干場と泣き合う熱き男。好きな場所は軍艦島。
 

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