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FASHION Special Talk

POGGYに訊いた
40歳を目前に考える、今とこれから [後編]

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日本だけにとどまらず、世界のファッションシーンからアツい注目を浴びるオトコ、小木“POGGY”基史氏

彼が、いまどんなことを考え、40代の10年間をどのように過ごしていくのかじっくりと訊いてみた。前編はこちら

WEBの重要性

—ユナイテッドアローズ&サンズの今後も含め、ビジネスの数字的な目標はどんな感じですか?

POGGY:今の店舗を強めていきながら、WEBの充実ですね。海外シッピングがまだ対応できていなくて…。それは早急に対応したいです。あとは「ユナイテッドアローズ&サンズ」の単独出店は目標ですが、横に広げていく店舗展開はどうしても薄まってしまう気がするので、薄まらない店舗拡充を目指しています。

—海外シッピングが止まっている要因としては、何が大きいのですか?

POGGY:社内の体制がまだ整っていないのと、版権など細かいハードルに引っかかっている感じですね。

—今や、『GQ』が世界の優れたショップをピックアップする際に、必ずMR.PORTERが名を連ねるように、WEBで服を買うのが当たり前になってきている中で、足止め食うのはもったいないですね。

POGGY:インスタグラムに注力し始めたのも最近ですし…、もっと世の中の状況を把握して、素早いアクションをしなくてはいけないんですが、乗り遅れている感じは否めないですね。

—そこは各ショップによって、結構スピードや順応度が違いますよね。インスタグラムで言うなら、スタッフが個人のアカウントも使って会社のPRを吐き出すかの是非なども含めて、会社と働く側の関係性と言うか…。

POGGY:そこは強制は出来ませんからね。でも、自分はそういう結束感こそが未来のチカラになっていくとは思っています。

—会社が大きくなってしまったが故の歯がゆさというか、洋服屋にワクワク感を感じにくくなった理由がある気がしますけどね。話を少し戻しますが、日本で気になったり、面白いと思うことはありますか?

POGGY:京都ですかね。東京はずっと面白いとは思ってるんですが、今まで京都はあんまり気にしてなくて。でも、海外の人は必ず行きたがるし、それで昨年改めて行ってみて、良かったんですよね。

—海外の方々とのタッチポイントが増えたことで、海外の人たちの目がPOGGYに影響を与えているって感じですか?

POGGY:その影響は大きいですね。前までは色々な人たちに「会いたい」って言って貰えたことが嬉しくて、それに答 えようとし過ぎて、それぞれとのお付き合いが薄くなりがちだったんです。それに自分は英語も堪能ではないのでコミュニケーションを上手く図れていなかった…、しかし、今は秘書がつき、英語が得意なPRもサポートしてくれているので、海外の方々との関係性も深まった気がします。

—だいぶ、やりやすい体制も整ったわけですね。それでは、40歳からの10年、どんな目標を掲げて邁進していきますか?

トラッドとストリートのミックス

POGGY:かつて「リカー、ウーマン&ティアーズ」を始めたときは、ラフ・シモンズとシュプリームを合わせてる人なんかいなかった中でモードとストリートのミックスを提案して、今では当たり前のスタイルになったように、今度はロロ・ピアーナとKITHを合わせるようなトラッドとストリートをミックスさせる人たちを増やしていくのが目標です。それから、よく「小木くんって、どうやってストレスを発散してるの?」って聞かれることが多いんですが、今までは子供と遊んだりしてオフにすることでリセットできていたんです。でも今は外部からの美味しい話をさばききれていないことに凄くストレスを感じていて、それをどう上手く解消してくかというのを目標にしています。今が旬だと思われて、色々なところから出して貰えるパスをゴールできないままだと、43歳とかになってハゲてきた途端にパスが来なくなる可能性もありますから(笑)。


—「あれ、もう格好良くないぞ」って離れられるかもしれませんしね。

POGGY:「小木、あのとき結構いいパス貰ってたのにね…」っていう状況だけは避けたい。チャンスを確実にものにできる体制とチームをしっかり作っていきたいです。

—2015年には米・コンデナスト社のStyle.comにて「メンズウェアシーンにおいて最も重要な人物25名」に選出され、HIGHSNOEBITYが選ぶ「影響のある人物」10人の中でカニエ・ウェストに並んで選ばれ、つい先日にHYPEBEAST 100にも名を連ねるなど、世界での評価で言ったら、かなり頂にいるわけですからね。

POGGY:今までは『THE RAKE』やSARTORIALISTなどテーラー寄りの人たちから、独特なハズしの感覚を面白がられて評価していただいていたんですが、2015年からはネットの側の人たちから評価を受けているのは感じますね。

—次は、どこに向かっていくんですかね?

POGGY:自分にはもちろん得意不得意があるので、重複になりますが、社内、外部問わずチーム作りをしっかりとやっていく必要性は感じています。

—きっと切り開いていけると思いますし、期待しています! 今日はありがとうございました。

小木"Poggy"基史さん
ユナイテッドアローズ&サンズ ディレクター兼バイヤー /
ユナイテッドアローズ 原宿本店 メンズ館 ディレクター

1997年ユナイテッドアローズに入社後、販売スタッフ、プレスを務めた後、2006年にリカー、ウーマン&ティアーズをオープン。日本のファッ ションシーンに新風を吹き込む。その後、2010年からはユナイテッドアローズ&サンズのディレクター/バイヤーを務め、さまざまな新しくて面白い展開に取り組む。

Photo:Yasuharu Imai
Text:Ryutaro Yanaka



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