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FASHION

【連載】昭和なアニキが語る定番服と昭和B級グルメ
「アニ散歩」
第3回
グローバーオールのダッフルコートと絶品マカロニサラダ

2015.12.25
2015.12.25

男の淋しささえも優しく包み込み、心まで温めてくれる

ダッフルコートとの出会いはまだ大学生の頃。それは兄のおさがりでもらったものだった。分厚いメルトン生地のグローバーオールのもので、アイビーだった兄は、とにかくダッフルはグローバーオールだと言い切っていた。当時、学生だった俺には、どう頑張ってもパッとしない真面目な浪人生のようにしか見えず、ほとんど着ることはなかった。

それが数年前。そろそろダッフルが着こなせる大人になったかと思いクローゼットから出してみたら……。なんとオーバーサイズ。当時のバブルのりの時代背景もあってか、サイズが大きすぎて、袖を通してみると完全時代が止まったしまったイケてない昭和な人に……。残念すぎるぞ!!! 定番アイテムは、時代感がもろに出るのだ。やっぱりサイズ感とコーディネートが重要。その勘所を誤ると、途端に野暮ったく見えることが多いので要注意なのだ。

そんな時、グッときたのが、俳優、松田優作がダッフルコートのトグルを全留めして着こなしていた1枚の写真を見たときだった。その日から自分のイメージにぴったりのダッフルコートを探し続ける旅に。トラッドなアイテムを、アイビーっぽくなく男臭く着たいと探し続け、高円寺の古着屋で出会ったのがこのグローバーオールのダッフルなのだ。

今回は、そんな思い出のある古着の聖地、高円寺に行ってみた。

俺の一生モノのダッフルコートのイメージは、男臭くてジイさんになっても着られるような重厚なメルトン素材の逸品。何十年も着続けることができ、ジイさんになってはじめて似合うように見えるハードなものだ。「あ~早くダッフルの似合う白髪のジイさんになりたい」と叫んでみても、俺はまだアラフォー(涙)。ハードなメルトン素材より、まだまだ優しくて包み込んでくれる軽くて暖かいヘリンボーン素材の方に惹かれるのだ。色はベーシックなネイビー。自分のような純日本人顔の黒髪にはネイビーの方が似合うと勝手に思い込んでいる。

アウターは、何年も着続けるものなので王道ブランドがいい。これは、グローバーオールのキングストンというモデル。今の主流であるタイト目にモディファイされたフォルムではなくややゆったりしたシルエットがキモ。元来、ダッフルコートはベルギーで生まれ、その後イギリス海軍が採用していたもの。なかでも、グローバーオールは軍の放出品を扱うことからはじまった超老舗ブランド。トレンチ同様、男臭くミリタリー的な魅力も併せ持っているのだ。

そんな男臭いコートの生地にはじめてヘリンボーンを使用したのはオレンジのダッフルで有名なフランスの某老舗メゾンだと言われている。ベルギー生まれのイギリス育ちにフランスのエスプリが効いているということだ。う〜ん、このややこしいこの感じがたまらない。今の俺にはこのオレンジ色の憎いやつ(夕刊フジか!!)は到底着こなせないのが現実(笑)

着こなし方は、ダッフルは下手すると子供っぽく見えるアウターなのでトグルは全部止め首元のチンストラップも留め男っぽく着てくれ。合わせるアイテムはシンプルな濃い目の501に白ソックスではずし、足元はコートのボリュームに負けないようレッドウイングのポストマンシューズで男臭く。難しいのがサイズ感。ダッフルに関しては決して小さ目はいけない。大きすぎても本当に昭和な人になってしまうのでややゆったりくらいが俺流。

そんなダッフルを着て、高円寺の古着屋めぐり散歩中に一杯ひっかけたいのが大衆酒場大将の2号店。大将は高円寺には3店舗あるが、そのなかでもストリート感がありビールケーステーブルが大量に並ぶ昭和オープンテラスで飲める2号店がおすすめ。やきとりはもちろん美味いが、俺のおすすめはなんといっても絶品マカロニサラダ。大衆酒場で最初にオーダーするのはマカロニサラダといつも決めている。この最初の一品で、店の実力はわかるのだ。しかも3店舗ある大将のマカロニサラダは店長のこだわりでそれぞれ各店微妙に異なっている。本店と3号店はコンビーフを使用していてマカロニも別のものらしい。恐るべしそのこだわり。

ホッピーを飲みながらマカロニサラダをつまみ、はじめて会うローカルの常連達や外国人の留学生と話すのも高円寺大衆酒場の醍醐味。このオープンテラスは目の前が道なので自転車で通る地元のおばちゃんと常連のなにげない会話や向かいにあるフィリピンバーから出てくるおじちゃんたちの人間模様を味わうのもほろ酔い気分を盛り上げてくれる。

シンプルな具のキュウリ、タマネギ、ハムになんともモッチリ感がありコシのあるマカロニがマヨネーズにからみ、ほんのりガーリック風味もあり正に王道な絶品。隠し味は秘密ということで教えてくれなかったがマカロニには相当こだわりがありゆで時間に15分もかかるものを使用しているとのこと。これでなければモッチリ感が出せないらしい。

グローバーオールの名作キングストン。そのシルエットとディテールは老舗ならではのオーラを放つ。フードと一体化したチンストラップがエレガント。ヘリンボーンのこのモデルは数年前まで販売していたが今シーズンはなぜか生産されていない。アメ横か地方を掘れば手に入れることができるかも。名作なので復刻を熱望する。

Photo & Text:Eiji Katano

今回のアニキおすすめの店

「大将 2号店」
東京都杉並区高円寺南3-58-17
Tel.03-3315-3284
営業時間 [月~金]17:00~翌2:00
[土]16:00~翌2:00
[日・祝]16:00~翌1:00
定休日 無し

プロフィール

片野英児(かたのえいじ)
1968年生まれ。昭和とメンズ服飾を愛してやまない47歳。小誌編集長の干場がアニキと呼んだことから、いつしかアダ名がアニキに。趣味は、スナックで昭和カラオケ。呑みすぎると、歌いながら、なぜか干場と泣き合う熱き男。好きな場所は軍艦島。

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