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【連載】カルロ黒部の
GENTLEMEN'S STYLE
第14回 アントニオ・パニコさん

2015.12.17
2015.12.17

サルトリア・ナポレターナを代表する伝説の巨匠

「カルロ黒部のGENTLEMEN’S STYLE」第14回はアントニオ・パニコさん(Antonio Panico)の登場です。

イタリアを代表する高級素材メーカー、ヴィターレ・バルべリス・カノニコ社のレセプションパーティーで、笑顔で迎えてくれたアントニオ・パニコさんは数々の伝説に彩られるナポリを代表するサルトリアの巨匠です。

11歳でジュゼッペ・ルオトロのもとで修業を始め、ロベルト・コンバテンテの研修生として現在のフリーハンド・カッティング技法を習得します。実演を見せてくれましたが、手の平が寸法を記憶していて、あっという間に生地にチャコ入れして、鋏で裁断する作業は驚くほどの速さです。

その後、名店ロンドンハウス(現ルビナッチ)で20年以上に亘りマスターカッターとして活躍、現在は自身のサルトリアをナポリとローマに出店しています。一般的にサルトリア・ナポレターナ(ナポリ仕立て)と総称されていますが、作風は師事したマエストロによって異なるのもナポリのスーツの特徴なのです。アントニオ・パニコさんの作風は、広めの肩に対してシェイプしたウエスト、存在感のあるラペル、大きくカットしたカッタウェイフロントなど、男らしさが特徴です。肩幅の設定を、身体で一番外側に出ている肩甲骨に合わせて広めに設定するのは、英国サヴィル・ロウの伝統的設計手法ですが、副資材をなるべく使用せず、軽くソフトに仕立てるのは、サルトリア・ナポレターナならではの証です。

この日のアントニオ・パニコさんの装いは、ダークネイビーフランネルのチョークストライプスーツでした。4cm以上の幅広のピッチ幅で、白のストライプ部分はおそらく杢糸(異なる2色の糸を撚って作る意匠糸)を使用した珍しいヴィンテージ素材です。

「このスーツは実は20年前に仕立てたものなのです。ヴィターレ・バルべリス・カノニコ社のフランネル素材も全然傷んでないし、私の体型も全く変わっていないでしょう」と笑いながら説明してくれました。

打ち込みが良く目付のある素材で仕立てられたスーツは耐久性に富み、長年の友人のように、より身体に馴染んで来るのです。

Vゾーンはラヴェンダー色のカシミアニットタイと、アンナ・マトッツォで仕立てた白のワイドスプレッドカラーシャツです。ロンドンハウス時代にシャツの職人として一緒に働き、共に名声を高めたマトッツォ女史の作るドレスシャツには特に敬意を払っているのです。

袖口はブルガリのカフリンクスとクラシックなエベラールの時計に彩られていました。ブレスレットについて尋ねると「これは美しい女性からのプレゼントです」と茶目っ気たっぷりに答えて下さいました。

シューズは黒のチャーチの外羽根式ストレートチップでした。イタリアのファッション関係者には、英国製高級紳士靴の人気が高いのです。

「良いスーツは自信と力強さを与えてくれます。仕立て職人の仕事は決して楽ではありませんが、それを願って63年間に渡りスーツを仕立てて来たのです」

アントニオ・パニコさんの装いは、良い素材を使用して、良い仕立てをしたスーツは時を超えて魅力を放つということを我々に教えてくれるのです。

Text:Carlo Kurobe

カルロ黒部(黒部和夫)
カルロ インターナショナル代表 ファッションコンサルタント ファッション評論家。1958年外交官子弟として駐 インドネシア日本大使館で誕生。1983年オンワード樫山入社後、メンズ企画部門を歩む。2014年同社退職後、カルロ インターナショナル設立。国内外のファッション企業のコンサルティングおよびPR業をはじめ、ファッション評論や公演で活躍中。

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