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【書評】60万部超えベストセラー
「フランス人は10着しか服を持たない」

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干場推薦の「エコラグ」を実践

 日常生活の一瞬一瞬を心から楽しんで人生を送ること。どんな些細なシーンでも、自分らしさと人間らしさを失わずに、「シック」でいることを、ジェニファーはマダム・シックの食生活、メイク術、社交術などから学んでいく。男性が読んでも、小気味よいテンポの文章と、パリジェンヌのライフスタイルは面白く読める。
ジェニファーが最も衝撃を受けたマダムからのレッスンは、日本語版の本のタイトルにもなっている「服」についての考え方だった。

海外で出版されている本書の表紙。日本版とはかなりテイストが異なる

ホームステイの初日、自分の部屋に通されたジェニファーは、「恐るべき小ささのクローゼット」に言葉を失う。2個の巨大なスーツケースには、シャンゼリゼ通りを闊歩するために必要な半年分の洋服を詰め込んできていたからだ。

「この家の人たちには、これくらいの小さな収納で十分だったのだ。というのも各自10着くらいのワードローブしか持っていなかったから。ムッシュー・シックも、マダム・シックも、息子さんも、持っている服はどれも上質なものばかりだったけれど、彼らは同じ服をしょっちょう繰り返し着ていた」
「たとえば、ムッシュー・シックのワードローブは、グレーのスーツ2着、紺のスーツ1着、セーター2.3枚、シャツが4枚、それにネクタイが2~3本」

アメリカ式の〃詰め込み型ワードローブ〃が豊かさの象徴だと考えていたジェニファーは、どこの家に行ってもたいていクローゼットが小型なことに驚きながらも、徐々に自分なりの解釈をくわえ、衣食住の考え方を変えていく。

帰国後の1ヵ月、10着のワードローブで過ごしたジェニファーの変化については、本書を読んでほしい。ジェニファーは、「ラグジュアリー」「スポーツ・カジュアル」など、自分のファッションのテーマを決めることも勧めている。
「あの本読んだ?」と、女性との会話の入り口に使う下心目的で読み始めても、毎日のコーディネートに頭を悩ませているビジネスマンにとっては、きっと有意義な読書体験になるはずだ。

Text:Yoshihide Kurihara



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