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FORZA STYLE - 粋なダンナのLuxuaryWebMagazine
WATCH 40男のヴィンテージ時計

第9回 パテック フィリップのラウンドケースという選択

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40男の上がりの一本にふさわしい
防水仕様の“カラトラバ”とは!?

そろそろ自分らしい腕時計との出会いを真剣に考えている40男の皆様に、『FORZA STYLE(フォルツァスタイル)』がオススメしたい選択肢のひとつが“ヴィンテージウォッチ”です。

その世界は奥深く、手頃な価格で買えるコスパ重視の時計もあれば、果てはオークションで競り落とされる数千万円台の投機の対象となるプレミアムな個体も数多く存在します。実際問題、ヴィンテージって聞くと妙に敷居が高く感じられたり、あまりの人気から偽物が出まわっているグレーな世界であることは否めません。それもあって、どうも二の足を踏んでしまっている方が大勢いるかと思います。

そこでこの連載では、ウンチクに寄り過ぎず、今どきのファッションにもしっかりとハマる腕時計であることを前提にしながら、絶対にはずさない名機の購入ガイダンスを中心に、さまざまな角度からヴィンテージウォッチの魅力を紹介していきます。

ヴィンテージ界の不動の王者ロレックスをはじめ、この連載では積極的に押していきたい鉄板ブランドがいくつかあるのですが、今回はじめて登場するパテック フィリップもそのひとつです。

我々庶民に限っていえば、価格の問題が重くのしかかりますが(笑)。パテック フィリップの腕時計はすべてに隙がなく、“完璧”だとしかいいようがありません。

グランドコンプリケーションを頂点とする多彩なバリエーションを誇る現代のラインナップに対して、ヴィンテージのパテック フィリップの主流となるのは、ラウンドケースです。

PATEK PHILIPPE Ref.2545
1960年製、手巻き(Cal.12-400)、18KRGケース、ケース31.5㎜径/220万円(税抜)
【問い合わせ】
プライベートアイズ 03-3940-0707 http://www.watchnet.co.jp/private-eyes/

このスタイルを作り出したのが、バウハウスの哲学や思想を参考に開発されたといわれる究極のドレスウォッチ「Ref.96」、通称“クンロク”です。30mmのケース径と小振りでありながら抜群の存在感を誇るこの一本の誕生から、今日“カラトラバ”と呼ばれるパテック フィリップのラウンドウォッチの系譜がはじまったのです。

ここで紹介する「Ref.2545」というモデルは、「Ref.96」のスタイルを継承する、抜きん出た完成度を誇るスモールセコンド仕様の手巻き時計。こちらは1960年製の個体で見るからに素晴らしいコンディションですね!

黄金律さながらの完璧さを持つ、文字盤のレイアウト。力強いドルフィンハンドときめ細かいインディックスとの対比が美しいコントラストを生み出しています。
独特のアーチを描くラグも、この腕時計の魅力を知るうえでの重要なディテール。現代にも引き継がれているお馴染みのカラトラバマークはリューズに刻まれています。

このモデルの特徴であり、王道の「Ref.96」との違いは、ウォータープルーフであること。つまり、“防水仕様のカラトラバデザイン”という、非常にめずらしいスタイルなんです。これはヴィンテージの世界では確実に評価の対象となるポイントだといえます。

ご存知の方も多いかと思いますが、ヴィンテージウォッチの最大の弱点が防水性
でして……。仮にダイバーズウォッチであっても、生活防水、いや防汗ぐらいだと考えておくのが無難かもしれません。

かなり極端な例ですが、ロレックスの「コスモグラフ デイトナ」の通称“ポール・ニューマン モデル”の場合、防水仕様のプッシャーかどうかで、価格が数百万円も変わります。馬鹿らしいといってしまえばそれまでですが(笑)、このような微妙な違いがヴィンテージの世界では付加価値を生み出すのです。

外装に勝るとも劣らない美しい仕上げを誇るCal.12-400。耐震装置が付くことから前作のCal.12-120より実用性が増しているムーブメントだといえます。

パテック フィリップの魅力を知る上で、外装と同様にムーブメントも重要なポイントであるといえます。

他社と比べて、パテック フィリップのムーブメントは、仕上げのレベル、精度ともに抜きん出ていまして……。職人技による美しい地盤の仕上げは、超高級機にふさわしい雰囲気を醸し出しています。こちらのCal.12-400は耐震装置が付く、手巻き専用のムーブメントです。薄型で実用性が高かったことから、パテック フィリップのさまざま時計に搭載されていたことでも知られています。

ちなみにこの「Ref.2545」、防水仕様であるためか、「Ref.96」の30mmのケース径に対して31.5mmと、一回り大きめにつくられています。このたった数ミリの差ですが腕元に添えると、その違いがよく分かるはずです。

ほぼウンチクの話になってしまいましたが(笑)、究極のラウンドウォッチの魅力はここでは語り尽くせません。世代を越えて受け継がれていく、パテック フィリップの腕時計のクオリティはいつの時代の製品であってもやはり別格……。それはヴィテージの世界でも完全に定説となっているのです。完成されたデザインはいつの時代でも古びることはありせんし、資産としても申し分のない価値があります。この究極のドレスウォッチ、上がりの一本にぜひいかがでしょうか?
 

Photo:Yasuhisa Takenouchi
Text:FORZA STYLE
 







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