ベゼルインサートやブレスレットひとつで
腕時計の雰囲気が一変するんです!
そろそろ自分らしい腕時計との出会いを真剣に考えている40男の皆様に、『FORZA STYLE(フォルツァスタイル)』がオススメしたい選択肢のひとつが、“ヴィンテージウォッチ”です。
その世界は奥深く、手頃な価格で買えるコスパ重視の時計もあれば、果てはオークションで競り落とされる数千万円台の投機の対象となるプレミアムな個体も数多く存在します。実際問題、ヴィンテージって聞くと妙に敷居が高く感じられたり、あまりの人気から偽物が出まわっているグレーな世界であることは否めません。それもあって、どうも二の足を踏んでしまっている方が大勢いると思います。
そこで、この連載では、ウンチクに寄り過ぎず、今どきのファッションにもしっかりとハマる腕時計であることを前提に、絶対にはずさない名機の購入ガイダンスを中心に、いくつかの切り口から幅広くヴィンテージウォッチを紹介していきます。
第2回は、ロレックスのスポーツウォッチを代表するモデル「GMTマスター」から、もっとも入手しやすい部類に入る1967年から登場した通称“マットダイヤル”のRef.1675を紹介します。
細かいウンチクを述べていくと切りがないので割愛しますが……(笑)。この年代の「GMTマスター」は購入のポイントとして、時計のオリジナリティやコンディションは当然のこと、パーツの組み合わせがとても重要です。
例えば、写真の個体。「GMTマスターに茶色のベゼルなんてあったっけ?」と思われる方がほとんどだと思いますが……。実はコレ、金無垢仕様の「GMTマスター」Ref.1675/8の初期モデル用のベゼルインサートに付け替えているんですね。シルバーの極太の書体がキモでして、ご覧のように金無垢の個体でなくとも違和感なくハマるんです。
同様にヴィンテージらしいベゼルインサートとして高い人気を集めているのが、1967〜1969年代後半のわずか数年だけ生産されたという通称“バイオレットベゼル”。アメリカの星条旗を彷彿させる赤×青のベゼルインサートとはまた違った雰囲気が楽しめます。何事もわかりやすさって、大事です(笑)。
腕時計とブレスレットの組み合わせも無視できない重要なポイントでしょうか。ちなみにこのブレスレットは希少性の高いアメリカ製の“ジュビリーブレス”。同年代のスイス製のジュビリーと比べると少しもっさりしたボリューム感が持ち味。この年代の「GMTマスター」に最高にマッチするブレスレットだといわれています。駒が小さいので着け心地も抜群なんです!
実用性以上に外装の面白さが求められるヴィンテージウォッチは、ディテールへのこだわりが必要不可欠。これが時計そのもの評価や雰囲気を決定付ける要素になります。その点から鑑みると、やはりパーツひとつとっても、可能な限り近い年代で揃えるのがベターなんですね。やはり年代がチグハグだと、どうもバランスが損なわれてしまいますから……。この醍醐味を一番わかりやすく肌で感じられるのが、“ヴィンテージロレックス”というジャンルであり、「GMTマスター」はその代表的なモデルだといえます。
今現在、ヴィンテージのパーツは全般的に枯渇しているので入手困難かもしれません。ですが、付け替える変えるだけで別の時計を入手した気分になれる便利なパーツであれば、押さえておいて損することはありません。希少性も高いので値崩れすることは当面はなさそうです。
完成された「GMTマスター」のデザインに深みを与えてくれるヴィンテージらしいパーツが揃えば、その時点で、定番を越える長い付き合いが確約され、腕元のアクセントとしても大活躍してくれます。今後はさらに価格が高騰するかもしれないので、気になる方は早めにチェックを! 今ならまだアンダー100万円で質のよい個体を探すことも可能ですよ。
Photo:Yasuhisa Takenouchi
Text:FORZA STYLE
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