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FASHION

【知らなかった定番の歴史】ラコステのワニってどんな意味?

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本物志向の男が
愛するポロシャツの元祖

40代の男性が持つべき逸品を紹介する当コラム。第5回目となる今回はポロシャツの元祖をご紹介します。

今でいうポロシャツの誕生前夜、1920年代まで、テニス競技においてプレイ時に着用するのはいわゆる長袖のドレスシャツのようなものでした。しかしそれはとても動きにくく、吸湿性も低いためプレイ中もなかなか集中できずにいる選手が多かったのが事実です。

そんな中、一人のフランス人テニスプレイヤー、ルネ・ラコステが後世に残る伝説的なシャツを生み出しました。それが、この「L.12.12」。

イギリスを訪れた際に見つけた汗をよく吸うニット素材をいたく気に入ったルネが、その生地で作ったシャツを試合で着用。瞬く間に他の選手たちからも人気を博しました。そして1933年にフランスのトロワで友人と共同で興したのが、現在のラコステにつながる「ラ・シュミーズ・ラコステ」社だったのです。

そこでこのシャツを進化させ、ポロ競技用のウエアから着想を得て作られたのが「L.12.12」。軽くてしなやかで吸湿性の高い、現在ではポロシャツの定番素材である鹿の子素材を採用。ラコステの鹿の子は繊維の長さが長いスーピマ綿で組成されており、また一般的な鹿の子は40番手である太さの糸のところ、独自の44番手の糸を使用しています。これはより細い番手であり、撚りを甘くした綿糸2本を引きそろえて編み機にかけて鹿の子の編地を作っているので、ソフトな風合いと優しい肌触りが味わえます。型崩れしにくく、洗濯しても生地が固くなりにくいのも特徴です。

衿は独自の縫製技術によって自然に立ち上がるようになっており、ここが魅力だと語る愛用者も多数。衿ぐりに沿ってフィットするため、ジャケットインでも衿が布帛シャツのように出るのもポイント。テニスウエアとして開発されたためあり、袖はちょうちんのような形状で汗が下に落ちないように腕にフィットします。

さて、胸のワニのマークですが、これはルネのテニス選手時代のニックネームから由来しているんです。今では他のブランドもそうですが、ワンポイントのマークをウエアに付けたのは、ラコステが初、というのは有名な逸話。ルネがフランス代表としてアメリカでの試合に出場した際に、ワニのように食らいついて離さない試合を展開したことでジャーナリスト達から名づけられたとか。そして友人からワニのマークが付いたブレザーを贈られ、愛用。それが改良されて、このポロシャツの胸にあしらわれたというわけです。

誕生から80年以上を経ても色褪せず、当時の原型を留めつつも、より上質さにこだわって作られているポロシャツ。そこには初心者から洒落ものまでをも虜にする理由が多く存在していたのです。

動画では、『THE RAKE JAPAN EDITION』の松尾編集長に、ラコステのポロシャツの魅力と着こなし方を語っていただきました。こちらもぜひご覧ください。


【商品データ】
他のブランドがこぞって追随した鹿の子のポロの元祖「L.12.12」。立ちやすく型崩れしにくい衿、絶妙な着丈、天然の貝ボタンなど、随所にこだわりの溢れた一枚は、まさに世界中から愛されている逸品。ポロシャツ「L.12.12」¥12,000(+Tax)

【問い合わせ】
ラコステ
03-6894-0318
http://www.lacoste.jp/

Photo:Yasuhiro Ito
Styling:Masaki Saruwatari
Text:Yoshie Hayashima

【推薦人】
松尾健太郎さん
『THE RAKE JAPAN EDITION』編集長。数々の男性誌に携わり、特にクラシック&エレガントなスタイルに関して造詣が深く、業界からの信頼も厚い。ラコステ「L.12.12」愛用歴は20年以上。



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