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【連載】拝啓、40男(イケフォー)諸君。
『最近、誰かを口説いてますか?』
Vol.7 歌舞伎町の妖しいバー「レンピッカ」で過ごす刺激的な夜<後篇>

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バーテンダーは総料理長のようなもの

新宿・歌舞伎町のど真ん中にある取材拒否のバー「レンピッカ」。この場所はもともと、台湾パブ、中国パブでした。バックバーの棚などはその時のまま。ですから、エキゾチックな雰囲気が漂っています。さらに、レンピッカの絵、BGMのタンゴがあい交じり、摩訶不思議な妖さを醸し出します。

「『笑うセールスマン』に出てくるバー『魔の巣』みたいってよく言われます(笑)」とはオーナー兼バーテンダーの青さん(仮名)。カクテルを2杯頂いた後に、すすめてくれたのは、この季節になるとよく出るというラムです。いくつかの候補の中からチョイスしたのは、「PLANTETION」シリーズのバルバドス。ちょうど数日前、偶然、同シリーズのグレナダ版を飲んでいたので、比べてみたかったのです。

まず、氷を四角にカットします。以前は丸氷にしていたような。なにかのこだわりですか?

「丸氷作るの時間がかかるじゃないですか。一人だとそこまでできないので、最近は四角にしてるんですよ」

なんともあっさりした、青さんらしい答え。

ラムはというと、バニラのような甘みと樽由来のスパイシーさが際立ちます。鼻腔に抜けていくアロマは芳醇。氷が溶けるに従って表情を変えていくのも、とても楽しい。グレナダ版よりも甘みが強い印象です。

「バー レンピッカ」にはシガーもありますが、今日は取材。ゆっくりとはしていられないので、眺めてシガー気分を味わうだけにしておきました。

「バー レンピッカ」がオープンしたのは1998年。この17年間、どんな心持でバーテンダーを続けてきたのでしょう。筆者とは15年来の仲。旧友に今さら語るのも恥ずかしいとばかりに照れながらも、こう言います。

「バーテンダーは総料理長のようなものだと思ってます。うしろに並んでいる酒は、各地から取り寄せられた、あるいは若い料理人が仕込んだ食材。あとは総料理長が味付けして仕上げるだけ」

約150種のウィスキーをはじめ、数えきれないほどの酒に囲まれ、無数のカクテルレシピを頭に入れて、その人にあった酒を作り出す。「仕上げる"だけ"」というわけにはいかないでしょう。

「いや、そんなもんですよ。バーテンダーなんて。大変なことと言えば、酔っ払いの相手をすることくらいです。ここは常連さんが多いですからね。遊びなんだか仕事なんだか(笑)」

妖しさも男の魅力

2004年の"新宿浄化作戦"をきっかけに、新宿という街は変わったと言われます。歌舞伎町で17年間もバーをやっていれば、いろいろな変化があったのでは?

「特には……。そもそも人が多い街ですからね。そりゃまあ、いろんな人がいますけど……」

冷めた目で歌舞伎町を見つける青さん。しかし、よくよく考えてみれば、そんな青さんだからこそ17年も続いているのかもしれません。

歌舞伎町では毎晩のようにさまざまな事件が起こります。店でもいろいろなことが起こるでしょう。めまぐるしく過ぎ去っていく刺激的な歌舞伎町の夜。これにいちいち熱く対応していては体も心も持ちません。また、適度に距離を保つ青さんだからこそ、客側もリラックスできます。

一回目のデートですべてをさらけ出し、すべてが見えてしまうようではいけません。少々ミステリアスで、刺激的で、妖しさの漂う男のほうが魅力的に感じられるはず。

扉を開ければ、いや、扉を開ける前から妖しさの漂う「バー レンピッカ」。ここに連れて来られた女性は、この雰囲気に飲み込まれます。そして、お酒が進むにつれ、こんなところを知っているあなたをもっと知りたいと思うようになります。

不気味な扉にひるんでいるようでは男がすたります。次のデートは妖しい世界に飛び込んでみませんか?

>>前篇:妖しい扉の向こうは別世界<<

Text:Hiroshi Goto(Kanzo_Koshi)
Photo:Asami Kikuchi
Arrange:media closet

バー レンピッカ(BAR LEMPICKA)
東京都新宿区歌舞伎町1-11-3 加藤ビル 2F
03-3205-1158
19:00~5:00
定休日/日曜日







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