田村正和さんがお手本!? ❜80年代のトレンディドラマにヒントあり。
34歳、只今イケフォー見習い中の編集部員サトシーノが小誌編集長の干場のコーディネートを徹底解剖! 第6回目は、名古屋のエルメネジルド ゼニアのトークショーで着ていたジャケットの着こなしに迫ってみました。
サトシーノ「干場さん、これは名古屋のエルメネジルド ゼニアのトークショーの時の写真ですよね?」
干場「そうそう。この時、1日3回のトークショーでさ。大変だったんだけど……。パーソナルスタイリングの時間に名古屋のお客様たちは、結構買ってくれて。それが嬉しかったね~」
サトシーノ「このジャケット、干場さんにしては珍しい色のチョイスですよね? エルメネジルド ゼニアのトークショーとかだと、やっぱりネイビージャットとかグレーのスーツとかじゃないんですか?」
干場「そう思うだろ? だからあえて、この色のジャケットを選んだんだよね。この季節の干場といえば、ネイビージャケットに白パンってイメージがあるだろうし、※干場8色の色でまとめるのがスタンダードなんだけど……。やっぱり新しい提案もしなくちゃ面白くないし、お客様には良い意味での裏切りが大切だからね。コンサバスタイルってのはマンネリするから……」
サトシーノ「なるほど! それにしても、この色、超綺麗っすね! これはグリーンっすか?」
干場「いやいや、目悪いのか?(笑)。どうみたってグリーンじゃないだろ!」
サトシーノ「ウソ⁉ 目は島育ちだから2.0とか無駄に良いはずなんですけど……」
干場「マジ? どんだけ良いんだよ(笑)。これはティールブルーっていう色でさ」
サトシーノ「ピールブルー?」
干場「違う! ティール!」
サトシーノ「え? ビール?」
干場「違う!!! 耳まで悪いのか! ティールだよ、ティール!」
サトシーノ「ああ、ティールですね! おかしいな、島育ちだから耳も良いはずなんだけどな〜」
干場「耳は島育ち関係ないだろ(笑)。もういいよ、このティールブルーっていうのは鴨の頭の後ろの部分の色のことなんだ」
サトシーノ「へ~! こんな色のジャケット見たことないですよ〜。エルメネジルド ゼニアってだけあって、見るからに素材が上質そうですし……」
干場「お、やっぱり目は良いんだな(笑)。そうそう、この素材はシルク✕カシミヤだから光沢が美しいんだ。俺も一目惚れした色でさ。この色、実は2015〜2016年に流行るとされている色なんだ。つまり来年!」
サトシーノ「えええ! まじっすか⁉ むっちゃ先取りじゃないっすか? でも……なぜ? エルメネジルド ゼニアってそんな早いトレンド押さえられるんですか?」
干場「エルメネジルド ゼニアってさ……。実は、ココだけの話、イタリアブランドの胴元みたいなもので……。各デザイナーズブランドに生地を提供しているんだ。誰もが知る超有名ブランドのスーツやジャケットを作っていたりする。だから次のトレンドを知ってる訳さ。自社で出すブランドにもソレを反映させて、尚且つハイクオリティでラグジュアリ−ブランドよりプライスを押さえれるから最高なんだよ!」
サトシーノ「なーるほど! そういうことだったんですね~」
干場「それじゃあ、ここで問題! このジャケットのインナーに着ているシャツ、俺にしては珍しく柄モノを着てるんだけど何柄かわかる?」
サトシーノ「え〜っと〜。う〜ん小紋柄っぽいんだけど、何かがかなり近づかないと確認できない〜」
干場「だろ?実はコレ……。よく見たら自転車柄なんだ! さすがの島育ちでも近づかないとわかるまい〜(笑)。女性に10cm近付いてもらうための作戦だんだ。同じように問題だせば、必ず10cm近付いてくれる、イコール女性と仲良くできるチャンスってことさ。なんか、ネタがちょっと『LEON』っぽかったかな(笑)」
サトシーノ「おおお! チャリってかなり珍しいし、何より確かに近付いて見ちゃいますね〜。やらしいな〜! 流石エロサバ!!」
干場「あとは、ジャケットを主役として見てもらいたいから、ジャケット以外はすべてネイビーカラーでまとめているんだ。そうすると、すごくジャケットは引き立つし、より上品に目立つ。これがエロサバの極意!」
サトシーノ「確かに、色のジャケットでも派手って印象はしないですね。上品さとか、ラグジュアリーさの方が、滲み出てますよね。それに、シルエットが抜群に美しい!」
干場「これは『カプリ』っていうモデルで……。俺が、今、世界中で一番最高なんじゃないかと思っている『フィレンツェ』ってモデルがあるだろ? ボタン位置や、着丈の短さとかシルエットが完璧な……。あれの裏地なしの一枚仕立てのジャケットで、より軽くて、よりラグジュアリーなリゾートなんかに似合うモデルなんだ」
サトシーノ「あ、これ『フィエンツェ』のモデルと同じシルエットなんですね〜。いいなあ、僕もいつか欲しい一着!」
干場「このジャケットの色ってさ、俺が高校性くらいにやってた『ニューヨーク恋物語』ってドラマがあって。憧れの田村正和さんが、この色のジャケットをムチャクチャ格好良く着てたんだよね〜。確か、黒いシャツに黒いパンツ、そしてその上にティールブルーのような色のジャケットを着ていた。それは色っぽくてね〜。格好良かったんだよ!」
サトシーノ「へ〜!。それは知らないっすね。俺、まだ小2だし……。トレンディドラマ見ないし(笑) またまたジェネレーションギャプ(笑)。しかも田村正和さんに憧れてたなんて初耳ですよ!」
干場「マジョルカ島(笑)? サトシーノ知らないの『ニューヨーク恋物語』??? それは大至急見たほうが良い! あの田村正和さんの役柄はまるで、『プリティーウーマン』のリチャード・ギアばりにイケてる紳士像なんだぜ? あるワンシーンでさ、真っ白いドレスを着た見ず知らずの女性がカフェでコーヒーこぼしてさ。田村正和さんがそこで彼女を待たせてて、新しいドレスを買ってくるっていうシーンとかがマジで格好いいわけ! わかるか?(興奮気味)」
サトシーノ「……いや、全然よくわかりませんが、バブルっすね。俺たちまったくカスってないからその感覚全くわかりませんし〜」
干場「男は紳士でなくっちゃな! だから、お前、今日のデートはキスでとどめとけ!」
サトシーノ「何ですか?ソレ〜(笑)。全然、意味が分からないし!!!」
今日はここまで!
Text:Satoshi Nakamoto
干場8色-Hoshipedia
「干場8色」とは、白・水色・黒・ネイビー・グレー・ブラウン・ベージュ・デニム。着回しの効く、グローバルで通用するベーシックカラーのこと。