干場流ジレとサングラスの活用術!
食べる物やレストランにはこだわるのにも関わらず、その場に相応しくない装いをしているのは、大人の男性としてスマートとは言えません。この「東京カレン ダー」との連載では、ホッシーこと、弊誌編集長干場義雅に「こういう場合、何を着て行ったらいいのか?」という東京カレンダー編集部からの質問にお答えします。
ということで前回の続きなんですが……。なんだか、このコラボ企画、全然想定していなかったのですが、意外にも業界関係者に読んでいる方がいらっしゃるようで……。関係各所で、「結局、この後オネーチャン系の店に行ったんでしょ? で、どこ行ったの?」とか「干場さん、オネーチャン系の店とか行くんですね~」とか「どこ? あっ!恵比寿でしょ」、「二回目の原稿いつなの?」というヒドイ突っ込まれようで(笑)。うかつに、いろんなこと書けないなぁ~とか思っているのですが。
ま、男ですからね。16歳の高校1年生の頃から知ってる旧知の仲の同級生ともなれば、お互いが付き合ってきた彼女の2~3人ぐらいは普通に知っているわけで……。もちろん、この場でも、オフレコでも絶対に腹の中にしまっておきますが(笑) オネーチャン系の店行ったって、お互いの手の内もバレているので、そんな破滅的な遊び方はもうしなくなっているのであります。
前回にも書いた通り、旧知の仲っていうことは、お互いのスタイルは、当然、昔から知り過ぎているにもほどがあるわけで……。だから、逆に、この日だけカッコつけているのがバレると、浮足立って見えてサムイんですね。「お前どうしたの? そんな格好して」みたいな感じになりますから。だから、ある意味、「昔からお互い変わんないよね~」みたいなスタイルの方がベターなんです。で、お洒落な中目黒の新スポット、しかもイタリアンバル、しかもその後の展開がありそう!?的な店を選んできたからこその、干場流のお洒落の㊙テクのお話なんですが……。
なんてことない、ベストであります。イタリア語で言う「ジレ」っていうやつですね。これがあると、リラックスしてきたときに上着を脱いでも、なんとなく様になるんです。3ピーススーツの上着を脱いだ時に貫録が出るのと一緒の感覚。それから、実に好都合なこともあって。オヤジになると、気になるのがお腹なんですが……。美味しくて食べ過ぎたときでも、このベストのおかげで、さほど目立たないんです。イタリアでは、今、ベスト(ジレ)のブームが来ていますが、大食漢なイタリア男だからこその㊙アイテムでもあるのかもしれませんね。キモは、ジャケットと同じネイビー色でも、コットン素材で色落ちがしているものを選んでいるってこと。こうすることで、かた過ぎず、ちょっとカジュアルでこなれた印象に見えるのです。
そして次のテクは、アイウェア。このメガネっていうのが、実に有効的で。2軒目、3軒目に行くに従って、これがあるとカモフラージュになるわけです。
当然、男同士なんで、お酒も“しこたま”飲むわけですが、ともすると気を抜いてしまっているので、バレないようにしていても「もしかして干場さんですか?」とか声かけられる。だから、そういう時のためにコヤツがあるんです。ちなみに、モスコットというブランドのものなんですが、僕は二本持ち。怪しいお店では、ちょっとグレーの色が入っていて、目が見えにくいもの。普通のお店では、素通しのレンズで、わざと真面目ぶります。
とにかく変装用としても使えるし、最初っからメガネをかけておいて、「女性から、はずしてくださいよ!」と声がかかった時に、はじめて取ってギャップで見せるというワザも出来ちゃうんです。さらに、カラオケスナックとか行くときは、メガネを反対にかけて、友達よりも先にオネーチャンを笑わせるときも使えます。いや~、アイウェアって便利ですね。っていうか、全然、視力矯正用具として使ってない!っていうところが笑えるでしょ。良いんですよ、そんなこと。
メガネは顔の一部である前に、道具なんです。使い倒してナンボ。なんだったら、メニューを見ながら、指の代わりに、メガネのツルを使うときもありますからね。ま、いろいろやってみてください。っていうか、こんな話ばっかり書いていて、大丈夫なのかな? そうそう、3回目の原稿も書かなくちゃ行けないんだった。テレビやラジオ、原稿チェックと、死ぬほど忙しいのですが、次回も頑張って原稿書いてみようかと。それでは、今回はこの辺で。
Photo: Ryohei Watanabe
Text: Yoshimasa Hshiba