大人が着られる七分丈の
セクシーなヘンリーネック
イタリア語で「青い風」を意味するブルブレは、上質な素材使いと高い技術力に定評のある国内ブランドです。高級素材の代名詞であるカシミアを使い、手作業で仕上げたニットウェアやストールが人気ですが、今回、紹介するのは七分丈のヘンリーネックのボーダーニット。マリンテイストのボーダー柄でこれからのシーズンにぴったりの一枚だと思います。
長い間、ボーダー柄は子どもっぽく見える気がして敬遠していました。もちろん若い時分には、セントジェームスやオーチバルのようなバスクシャツ、いわゆる定番モノはひと通り体験してきたのですが……。バスクシャツって、身体に馴染むまで少し時間がかかるんですよね。そういった理由も僕には大事で、カジュアルでピカピカな感じは、自分のものになっていない感じがして、なんか気恥ずかしかったのです。
でも、これは出会った瞬間、着こなしのイメージが湧いてきました。ヘンリーネックなので首元のボタンを外してちょっとセクシーな感じに着ることもできそうだし、手に取るとこのブランドお得意のニット編みのような風合い、エレガントな雰囲気があります。カットソーのカジュアル感じとニットウェアの上品さが、うまいバランスで融合しているんです。こういうモノって、あるようでいてなかなか見つけられませんよね。
素材にはコットンの強撚糸を使っているので、ストレッチ性とともに適度な張りがあるんです。しかも、着心地がサラサラ。僕は洗濯機でガンガン洗って、洗いざらしを楽しんでいます。フィット感も国産ブランドだけあって良好。一枚で着て、絵になるシャツですね。
マリンテイストの爽やかなデザインですが、ボーダーが全面に入っていないところも気に入っている部分。白いショーツに合わせればリゾートっぽくなりますし、上にリネンのネイビージャケットをはおれば、鉄板のマリンルックに仕上がります。こういうのを一枚持っていると、着まわしも効いて本当に重宝すると思いますよ。
Photo:Yasuhisa Takenouchi
Text:FORZA STYLE
エコラグ-Hoshipedia
「エコラグ」とは、エコノミック・ラグジュアリーの略。economic luxury。極めて経済的だが、上質さやエレガンスは失わないスタイルの意味。「多くの粗悪なものより少しの良い物を」という干場の哲学により生まれた造語。腕時計や靴・鞄、スーツのように長い年月使えるものは高額でも、白シャツや白無地のTシャツのように常に白いまま清潔に着たい消耗品は、高額なものよりもコストパフォーマンスを重視するというスタイル。パテック・フィリップの腕時計やジョン・ロブの靴と、カミチャニスタやデッコーロの白シャツ、GAPの白無地のTシャツは干場にとっては同じ。一点豪華主義とも違う。干場が敬愛するブルース・リー先生が提唱した無駄を排した最短の動き(エコノミック モーション)で相手を倒すジークンドーのように、経済的で盛り過ぎない、かつ無駄のないシンプルで上質なスタイルを指す。
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