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坂 茂による"開かれた建築"で生まれた大分県立美術館(OPAM)

香川県の直島や石川県金沢市の金沢21世紀美術館など、情報過多な都会を離れ、アートにふれる旅がしたくなるスポットが全国に増えつつあります。この春、また新たに注目のスポットが増えたのをご存知でしょうか?

それは、大分県大分市にオープンした大分県立美術館通称OPAM)です。OPAMは、アジアや西洋から異文化を受け入れ、伝統や風習に取り込みながら融合してきた大分県の地に誕生。

「出会いと五感のミュージアム」がコンセプト。

大分県立美術館(OPAM)パノラマ外観・夕景 ©Hiroyuki Hirai
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設計したのは2014年3月に建築界のノーベル賞とも呼ばれるプリツカー賞を受賞している坂 茂(ばん しげる)氏。

坂氏は美術館というものがブラックボックスのように思える、中で何が行われているかは入ってみないとわからないことになっていて、本当はもっと多くの人が楽しめる場所であるのに、その機会を失ってしまっていると指摘。そこで「あまり美術館に行かない人たちをいかに引き寄せるか、そして美術を楽しんでもらい、日常的に人々が集まるそのような仕掛けを建築に与えた」と語っています。

そこでOPAMでは1階は外からも中の様子がわかるようガラス張りに。無料で利用できる2層吹抜のアトリウムを設け、その中に展示に合わせて規模を変更できる可動式のミュージアムショップとカフェを配置。展覧会に興味がない人でも、日常的に利用できるスペースとした、といいます。開閉可能なガラス水平折戸を開放すると、アトリウムは人々が自由に行き来できるパブリックスペース=縁側となり、街と一体化できる美術館を作り上げました。

須藤玲子 ≪ユーラシアの庭「水分峠の水草」≫ 2015年
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マルセル・ワンダース ≪ユーラシアン・ガーデン・スピリット≫ 2015年
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1階エントランスから入ってすぐのアトリウムでは「ユーラシアの庭 - オランダ、日本のデザイン対決」と題し、オランダのデザイナー、マルセル・ワンダースと日本のテキスタイルデザイナー、須藤玲子による伝統と現代性の融合を感じる作品を始め、スペースの自由度が高い美術館ならではの空間をいかした作品が展示されています。大分県とオランダとの縁は、1600年にオランダ船、リーフデ号が大分県臼杵に漂着し、困難な航海に耐えた船員を人々が介抱したことから。そんな歴史も振り返りながら、現代との融合を楽しむのもいいですね。

ミヤケマイ 大分観光壁 ≪水府 覆水難収・フクスイオサメガタシ≫ 2015年
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また、アトリウムの奥には、日本の伝統的な故事来歴や室礼に通じて、それをポップで現代的な表現に再生する名手、ミヤマケイによる大分の文化風土をテーマにした大型インスタレーションを展開。

現在は開館記念展vol.1 モダン百花繚乱「大分世界美術館」-大分が世界に出会う、世界が大分に驚く「傑作名品200選」を開催中。8月1日からは『描(か)く!』マンガ展~名作を生む画技に迫る――描線・コマ・キャラ~進撃の巨人展 WALL OITAのマンガをテーマにした企画展2本がはじまります。

Text:Yuko Kitamoto

(記事TOP画像)大分県立美術館 パノラマ外観 ©Hiroyuki Hirai

大分県立美術館(OPAM)
〒870-0036 大分市寿町2番1号
TEL 097-533-4500
http://www.opam.jp

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