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ロレックスの時計を投資王、ウォーレン・バフェットが愛するワケ

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圧倒的なリセールバリューを持つ、
ロレックスの資産的価値


実は時計業界において、リセールバリューが高いブランドは3つしかないと言われる。

一つは時計業界における最高峰パテック フィリップ、次いでドイツの最高峰であるA.ランゲ&ゾーネ。両社は生産本数が少ないため希少価値があり、しかも非常に凝った時計が多いため、生産するにも時間と手間がかかる。そのため欲しくても買えないという人が多く、リセールバリューが落ちないのだ。つまりフェラーリの様なものである。

ではロレックスはどうか。正直に申し上げると、時計業界におけるロレックスの地位はさほど高くない。ドイツ人がロンドンで立ち上げたブランドという出自が、スイスブランドを中心とするコンサバな時計業界では、地位を築くことができなのだ。

しかし前述したとおり、圧倒的な人気と知名度があるため、リセールバリューは高い。あれだけたくさん売れているのに、それでも欲しいという人が後を絶たないので、価値が落ちないのだ。

さらにいえば、ロレックスの時計はデザインがほとんど変わらないというのも、バフェット氏が好む理由かもしれない。彼の名言のひとつに「時代遅れになるような原則は、原則ではない」というものがある。ロレックスの時計はデザインが変わらないため、いつまでも時代遅れにならない。その普遍性や永遠性も、リセールバリューの価値を高止まりさせる要因になっている。

ちなみに「海外で最強なのは金無垢のロレックス」という時計格言があるのは、ロレックスだけはどこの国でも取引できるし(パテックやランゲの場合は、取引相手の時計偏差値が高くないと価値を正しく評価してもらえない)、時計が壊れたとしても貴金属の価値は残るからだ。

そういった資産価値を理解した上で、バフェット氏は金無垢のロレックスを選んでいるのではないだろうか? ちなみにブレスレットなどから判断するに、彼のロレックスは「デイデイト」だと思われる。

ヴィンテージロレックスの中で最も高額で取引されるのは、クロノグラフの「コスモグラフ デイトナ」である。しかしあまりにも価格が乱高下するため、愛好家というよりは投機筋向けの商材になっている。その点「デイデイト」はロレックスでは唯一、貴金属ケースしか存在しないというマニアックなモデルであり、“最上級”と称される逸品なのだが、通好み過ぎてトレンドとは無縁の存在である。だからこそ、逆に最も価値が残りやすいともいえる超安定資産なのだ。

“オマハの賢人”は、時計選びにおいても賢人であった。価値が浸透したメジャーブランド「ロレックス」の、しかも安定感のある「デイデイト」を選ぶという見識眼を見るだけでも、彼が莫大な資産を築くことができた理由が分かる。

Photo:Getty Images
Text:Tetsuo Shinoda

Warren Buffett(ウォーレン・バフェット)
バークシャー・ハサウェイCEO
1930年生まれ。投資家、経営者。世界最大の投資持株会社バークシャー・ハサウェイのCEO。生まれ育ったネブラスカ州オマハで暮らしており、“オマハの賢人”との異名を持つ。フォーブス誌によると、総資産は744億ドル(約9兆円)。世界2位の大富豪である。

篠田哲生(しのだ てつお)
時計ライター
講談社「ホットドッグ・プレス」を経て独立。新聞、雑誌、ウェブなど、様々な体で時計記事を担当。時計学校を修了した実践派。著書に「成功者はなぜウブロの時計に惹かれるのか。」がある。

 

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