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【知っておきたい定番の歴史】トレンチコートは戦場生まれ?

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クラシックなトレンチコートの着こなしとは?

イケてる40男(=イケフォー)が持つべき逸品を紹介するこのコラム。第1回目は、まさに一生ものとも言える定番中の定番、バーバリーのトレンチコートをご紹介します。

バーバリーのトレンチコートといえば、世界中の男性から愛用されているアイテムの代表です。トレンチコートの起源は第一次世界大戦中、イギリス軍が寒冷地での戦に耐えられるように、と防水型のコートを開発したものが発祥です。トレンチは塹壕という意味であり、所謂“軍モノ”。これが、男性から支持を集める大きな理由のひとつなのです。

素材は、伝統的なコットンギャバジン。1879年にバーバリーの創業者、トーマス・バーバリーによって考案されたもので、1平方センチメートル当たり100本以上という高密度の糸で織り上げたごく丈夫な生地。撥水性、耐久性に優れ、現在のトレンチコートにもこのコットンギャバジンは継承されて使われています。このことからトレンチコートと言えばバーバリー、と言われるようになったのです。

戦争が生んだ、ひとすじの光。それがバーバリーのトレンチコートなのです。 トレンチコートです。


トレンチコートの特徴的なデザインとして挙げられるのが、肩を付けずに衿ぐりから袖ぐりの下までを斜めに切り替えてそのまま袖にしたラグランスリーブ。ラグランという呼び名はクリミア戦争(1853年~1856年)のときにイギリス軍の司令官であったラグラン卿が傷病兵のために考案した着やすい型の服が起源です。

このラグラン仕様は、現代においては例えばトレンチコートの下にジャケットやスーツを着用した場合やニットを着用した場合でも、肩幅の違いなどに左右される心配がないのも利点のひとつです。

この他、トレンチコートにはエポーレット、ガンフラップ、D環、ストームシールドなど戦場においての 機能を追求したディテールが多く施されています。エポーレット(肩章)は階級を示すバッジを付けたり、水筒や双眼鏡のストラップが肩からずり落ちないように施されたものです。胸元のガンフラップはライフルを発射したときの衝撃を吸収する役割を担ったディテールで、ボタンを上まで留めた合わせた箇所を覆い、風よけとしての機能があります。肩から背中にかけて二重になった構造のストームシールドは、雨が降ったときに雨がコートに滲みないよう水滴が下へ落ちるよう工夫されたものです。ベルト部分のD環は、軍用品をを下げるためのもの。これらの“軍もの”ならではの男らしい機能美に満ちたディテールが集結したオーセンティックなデザインゆえ、バーバリーのトレンチコートが男心をつかむアイテムとして存在し続けているのです。

バーバリーのトレンチコートは、伝統を引き継ぎつつも、それまでのクラシックトレンチから2010年にシルエットはモダナイズされており、スーツスタイルにもカジュアルにも合わせやすい一着になっています。一昔前のようにロングのオーバーサイズを渋く着こなすというのはかなり高度な技。すっきりとスマートに着こなすのが、今の気分なのです。

動画では編集長の干場が、このトレンチコートの魅力と着こなしについて語っています。こちらもぜひご覧ください。



【商品データ】
やや小ぶりになった衿、細身になったアームや身頃など、全体的にすっきりとモディファイされたトレンチ。スマートな着こなしを叶えるミッドレングスが断然おすすめです。1920年代にトレンチコートの裏地に採用されたお馴染みのベージュとレッドのハウスチェックのウールライナー付きなので、3シーズン着回せます。
ミッドレングスラグラントレンチコート

Photo:Yasuhiro Ito
Styling:Masaki Saruwatari
Text:Yoshie hayashima


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