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干場の究極ワードローブ! キーワードは"エコラグ"
第22回 タイ・ユア・タイの小紋タイ

2015.4.7
2015.4.7

スカーフのような柔らかさをもった
タイ・ユア・タイの小紋タイ

これは僕のお洒落の師と仰ぐ、フランコ・ミヌッチさんが来日されたときにいただいたネクタイなので、既に10年以上愛用しています。ご存じの方も多いと思うのですが、ミヌッチさんといえば、フィレンツェの名店、「タイ・ ユア・タイ」の創始者であり、1990年代から2000年代初め辺りまでは、イタリアにおいては絶対的な存在でした。ピッティ・イマージネ・ウオモ(世界最大級のメンズファッション見本市)に訪れた世界各国のバイヤー、ジャーナリストは、彼の店の品揃えや本人の着こなしを見て、次のトレンドとして発信したものです。

僕も取材を通してミヌッチさんと交流があり、彼にはメンズファッションの“いろは”を教えていただきましたが、そのミヌッチさんが特にこだわっていたのがネクタイでした。

ミヌッチさんはいつも紺無地と紺と茶の小紋タイばかりしていた記憶があります。そして大剣と小剣をずらしたり、ディンプルをふたつ作ったり、正しくきっちり結ぶだけでなく、洒脱なくずし技を教えてくれたのも、やはりミヌッチさんでした。

このネクタイは「セッテピエゲ」(イタリア語で7つ折りの意味)という縫製で、通常の倍近い生地を贅沢に使っていて、芯地なしで仕立てられています。見た目はクラシックな趣ですが、ふんわりとしたスカーフのような独特な表情があり、ノットも小さくまとまるので、いまの着こなしにもすごく合います。僕はネイビーやグレー、ブラウンのスーツやジャケットのときに、これを結ぶことが多いですね。

ただ、ひとつ困ることがあって、タイ・ユア・タイのネクタイは日本の標準的なネクタイに比べてすごく長い。大剣をベルトにかかるくらいのセオリー通りの長さにすると、小剣がそれより長くなってしまいます。ミヌッチさんは「それでいいんだよ、ハズしとしてありなんだよ」というのですが……(笑)。僕はたいていスラックスの中に小剣を入れてしまいます。もしくは、小剣をシャツの中にしまってしまうんです。でも、たまにはそれもいいかな、と思えるカジュアルなシーンもあるので、そのときどきに応じて小剣を長く垂らしたりしています。それがこのタイの魅力であり、完璧すぎないお洒落を教えてくれたミヌッチさんの魅力でもあるのでしょう。

そうそう、女性を交えて、一緒にフィレンツェの肉料理を食べはじめたときに……、ミヌッチさんは今まで締めていたネクタイをはずし、急に上着の胸ポケットに3つに折り畳んでしまったのです。それが、まるでポケットチーフを入れたように華やかに見え、あまりに自然に、さり気なく格好良かったので、「どうしてしまったのか?」ということと「どうやって入れたのか?」を聞いたんです。そしたら、ミヌッチさんはこんな風に答えてくれたのです。

「ネクタイを締めていたら、一緒に女性がリラックスして、くつろげないだろう? ミスターホシバもはずしちゃいなさい(笑)」と……。さらに、付け加えて、「ネクタイの胸ポケットに入れる畳み方なんて、適当でいいんだよ、適当で。“いい加減が良い加減”なのさ」と。

ミヌッチさん曰く、イタリア語で「エレガンテ」、つまりエレガントというのは「ナチュラーレ」なんだそうです。ナチュラーレ、つまり自然体であるということ。ネクタイの仕草ひとつで、人を思いやる彼の優しさ哲学にも触れることが出来たのです。

そんな、彼の魅力が詰まった「セッテピエゲ」のネクタイ。ぜひ、あなたも手に入れてみてはいかがでしょうか? もちろん「エコラグ」的なアイテムなので長く付き合えつつ、そんな心温まる物語も感じてもらえるはずですよ。

Photo:Yasuhisa Takenouchi
Text:Toshiaki Ishii

エコラグ-Hoshipedia
「エコラグ」とは、エコノミック・ラグジュアリーの略。economic luxury。極めて経済的だが、上質さやエレガンスは失わないスタイルの意味。「多くの粗悪なものより少しの良い物を」という干場の哲学により生まれた造語。腕時計や靴・鞄、スーツのように長い年月使えるものは高額でも、白シャツや白無地のTシャツのように常に白いまま清潔に着たい消耗品は、高額なものよりもコストパフォーマンスを重視するというスタイル。パテック・フィリップの腕時計やジョン・ロブの靴と、カミチャニスタやデッコーロの白シャツ、GAPの白無地のTシャツは干場にとっては同じ。一点豪華主義とも違う。干場が敬愛するブルース・リー先生が提唱した無駄を排した最短の動き(エコノミック モーション)で相手を倒すジークンドーのように、経済的で盛り過ぎない、かつ無駄のないシンプルで上質なスタイルを指す。

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