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2030年代のメルセデス・ベンツは
こんなカタチになる?

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自動運転車は、移動中も電気羊の夢を見られる

2015年年明け早々、ラスベガスで開かれた家電の国際見本市に、映画『ターミネーター2』に出てくるリキッドメタル製みたいなクルマが展示されました。ダダンダンダダン♪ カタチはT-1000のように警官になったり包丁になったりはしませんが、全面水銀と見紛うその質感は衝撃的。これぞ、1886年に自動車を発明したカール・ベンツとゴットリープ・ダイムラーを創業者にいただくメルセデス・ベンツの来るべき近未来、2030年代の実験車なのです。

F015 Luxury in Motionと名づけられたこの実験車の最大の特徴は、そう、近頃なにかと話題の自動運転車であること。次世代技術の要とされる自動運転車は、自動車メーカーはもちろん、グーグルやアップルといったコンピュータ産業も開発中、と言われています。グーグルの目的は、究極の交通安全。なにしろアメリカにおける自動車の交通事故死者数は年間3万人にも達するそうですから、大いに意味があるのです。

一方、自動車の発明者を自負するメルセデス・ベンツはというと、自動運転について30年の蓄積があります。高級車ブランドだけあって、ユーモラスなデザインのグーグルのものとは一線を画しているのです。自動車は交通手段というだけではなくて、プライベートな隠れ家的空間となる!? 

「オン・ザ・ロードは完全に自由時間、動く居間となる」というのがF015のコンセプト。交通安全のその先を見据えているわけです。

大きさは現在のSクラスほどで4人乗り。インテリアは快適で広々としたラウンジのような空間です。優雅で高品質で、官能的。西洋人にとって官能的というのはとても大切なこと。ウォルナットやナッパレザーといった、伝統的な温かみのある天然素材と、金属やガラスからなるクールでハイテク感のある素材とを組み合わせ、近未来のアップル製品に囲まれた『2001年宇宙の旅』を思わせるデザインですが、現在は2015年。想定しているのは2030年以降ですから、もっと先の未来です。

人が運転するときはステアリングホイールが自動で出てきて、前席を進行方向に向けて座ります。自動運転のときは対面シートにすることもできます。昔だったら4人でポーカーでもやるところでしょうが、現代人は個別にネット検索したりするのでしょう。ダッシュボードから側面、後ろまでスクリーンが6つ並びます。15年後のエグゼクティヴはこうした空間でリラックスしながら次の目的地に向かうことになるわけです。

ご存知のように自動車メーカーはどこも自動運転車を開発中。例えば、日産は「2020年までに革新的な自動運転技術を複数車種に搭載する予定」である、と発表しています。マサチューセッツ工科大学、スタンフォード大学、カーネギーメロン大学、オックスフォード大学、そして東京大学と、世界の名だたる大学と共同で研究を実施しているそうです。こんなふうに、ドカンと花火を打ち上げるのがカルロス・ゴーン流の経営です。ドカンと花火を打ち上げないのがトヨタ流ですが、自動運転技術で劣っているわけではありません。なんせ気配りを欠かさないメーカーです。

外国メーカーではアウディが昨年秋に無人の自動運転車をサーキットで走らせました。レーシング・スピードで走らせたというのですから、さぞや見物だったでしょう。2017年には高速道路での渋滞時を想定した自動運転車を発売する、と発表しています。もっとも、こうした限定付きであれば、つまり前のクルマを追いかけながら加減速する技術はすでにメルセデス・ベンツをはじめとするいくつかのメーカーが実用化しています。

自動運転になって何がもたらされるか? 目の不自由な人、高齢者、あるいは年少者、運転のできない人たちが移動の自由を謳歌できます。これは素晴らしいことです。一方で、自動運転時に事故を起こしたら、誰が責任を問われるのか、という難しい問題も生じます。人間がエラーを起こすように、機械だってエラーを起こします。法律の整備も必要です。テクノロジーがまた新たな問題をつくり出すのは世の常です。

過労による運転中の居眠り事故がなくなるのは大歓迎ですが、筆者が案ずるのは、結局はバスとかタクシーとか、運転手という仕事を消滅させてしまうのではないか、ということ。そうなると、19世紀の初め、産業革命の反動で起こったというイギリスの機械破壊運動、ラッダイト運動が再現されるのでは……。なんてことを思ってしまいます。自動運転革命はもう、隣のドアまで来ている。それだけは間違いありません。超高齢化社会の住人としては、ありがたや、と車内で念仏でも唱えていましょうかね。

Text:Naoki Imao

(写真/左から)

LEDライトは、自動運転(メルセデスは「自律運転」と呼びます)のときにはブルーに、人間が運転しているときにはホワイトに輝きます。シルバーはメルセデスのレーシング・カーの伝統です。

全長5220×全幅2018 ×全高1524㎜。ホイールベース3610㎜。ちょうどSクラスのロング版ぐらいの大きさです。

外部とのコミュニケーションを図っています。覆面みたいに「止まれ」と後ろのクルマにいっているわけではありません。

ウッドのフロアに、メタルとナッパレザーのシートが映えます。ステアリングホイールが控えめについています。

自動運転中は対面シートで、テレビ会議をします。移動中も外部とコネクトし続ける。近未来の自動車のもうひとつのテーマです。

サンフランシスコに出現したF015。SF映画のシーンのようです。水素で走る燃料電池車のプラグインです。カーボンファイバーとアルミニウムを用いることでボディを軽量化、現在の量産車比40%も軽い車体です。

【問い合わせ】
メルセデスコール
http://www.mercedes-benz.co.jp/

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