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英国のサラブレッド、アストンマーティンのコンセプトカー
「DBXコンセプト」

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新しいボンドカーになるか!?

創業102年の伝統を持つ英国のスポーツカーブランド、アストンマーティンこそフォルツァ世代の憧れではないでしょうか。不屈の闘志でもって女王陛下の敵と戦う騎士の愛馬。ようするにボンドカーということなんですけど……。

そんなアストンマーティンが3月のジュネーブ・ショウで「DBXコンセプト」という試作車をお披露目しました。マーケットの反応を見て、「ゴー!」か「否」かの判断を下します。自動車ショウというのは業界的にそういう重要な場のひとつなんですね。

雨でも雪でも、どんな路面でも走行可能な全天候型万能スポーツカーで、しかも環境にやさしいEV(電気自動車)、というのがDBXコンセプト。最低地上高が高いので、乗り降りが楽チン、日常的な使い勝手もいい。2人乗りではなくて、大人4人が乗れ、さらにトランクルームもある。電気モーターを4つのホイールに内蔵するEVだからこそできた、革新的パッケージングです。

そうはいっても4WDのエレクトリックスポーツカーというコンセプト自体、さほど珍しいわけではありません。順列組み合わせみたいなものですから。でも、それを英国の貴族的ブランドがつくって見せた、というところに大いに意義があります。

エクステリア・デザインは現行モデル、DB9の雰囲気をまといながらモダナイズしています。ヴェルヴェットのようなヌバックを使った内装をご覧ください。まるで宝石箱のようでしょ。宝石が散りばめられた箱ではなくて、宝石を入れる箱です。高級感あふれる天鵞絨地の、しっとりした肌触りで、パカッと開く感じの、ですね。上品な大人の色気が漂っています。

DBXコンセプトについて、「固定概念を覆す」とDr. アンディ・パーマーCEOは説明します。Dr. パーマーはトップに就任したばかり。日産のチーフオペレーティングオフィサーから転身した人です。革新はつねに外からやってくる。

ライオネル・マーティンが1913年に創業したアストンマーティンですが、その後、経営は何度も変わっています。64年製作の映画007『ゴールドフィンガー』でボンドカーとなったDB5は、戦後、トラクターの製造で当てた企業家デヴィッド・ブラウンのグループ傘下にあった時代のプロダクトでした。

ちなみに、同時代にイタリアでトラクターの製造によって莫大な富を得たのがフェルッチオ・ランボルギーニです。両ブランドとも、じつは大地と縁がある。イギリス人はDBのイニシャルのみを製品に控えめにしるし、イタリア人は自分の名前と星座を貼り付けた。

超高性能車を大メーカーの庇護なくしてつくり続けることは容易ではありません。ランボルギーニだって、現在はフォルクスワーゲン・グループの一員であることはご存知の通りです。デヴィッド・ブラウンは50年代にル・マン24時間レース優勝を飾るなど、タニマチとしてアストンマーティンを支えます。ところが、1970年代のオイルショックでサー・デヴィッドは手放さざるを得なくなる。

アストンマーティンは87年に大手メーカー、フォード社の傘下となり、資本と技術が投下されました。DBの名称も復活し、現代のアストンマーティンに生まれ変わるのです。2007年からは何度目かの独立メーカーになったわけですが、ともかくスーパーカーブランドは、トンデモナくスーパーな発想を出し続けなければ、人々をアッといわせることはできません。

そういう意味では、いま、007危機一発といえそうです。4輪駆動の電気自動車のSUVっぽいスーパーカー、「DBXコンセプト」は果たしてQがつくった秘密兵器のようにピンチを救えるのか(市販化されるとなれば、それはそれで魅力的です)。なお、次回作「スペクター」は本年10月にまずは英国で公開されます。とりあえずのお楽しみはそちらで。

Text:Naoki Imao

(写真/左から)

伝統的なアストンマーティン像を覆しつつも、期待を裏切っていない。以前、4ドアのSUVのコンセプトを提案していますが、2ドアのこちらの方がグッとスマートです。

宇宙人が出てくる映画の美術みたいな未来的デザインです。後席は大人2人が乗れる、とされています。ものすごく実用的、ということです。

計器盤のデザインは携帯の位置利用ゲーム、INGRESSを思わせます。フューチャリティックです。世界はMI6とスペクターに二分されています。ミサイルが発射できそうです。

SUVっぽいのに土足厳禁(という感じ)の内装をご覧ください。ペダルにまでレザーが用いられています。こんなのは見たことがありません。超富裕層向けド贅沢です。

現行DB9やV8ヴァンテージを思わせるクーペルックです。最低地上高がちょっぴり高いだけで、実用度がググググッと上がることはスーパーカー・オーナー知るところでしょう。

【問い合わせ】
アストンマーティン ジャパンリミテッド
http://www.astonmartin.com/ja/aston-martin

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