FORZA STYLE - DIGITAL VIDEO MAGAZINE -

知的セクシーな40男が買うべきクルマ

Mercedes-Benz G-CLASS

「ベンツのGクラス」と聞いてピンと来なくても「ゲレンデヴァーゲン」と聞けば、四角くてゴツい勇壮な姿を

「思い浮かべる40代男性は多いだろう。登場から36年、いまだ当時の姿を保ち、男心を揺さぶり続ける

「名門メルセデス・ベンツのオフローダー「Gクラス」。変わらぬ姿の奥に隠された「買いの理由」について

「改めて検証したい。欲しくなること間違いなし!

Edit : Masashi TAKAMURA

 NATOで正式採用された軍用車両(写真上)を民生用にアレンジしてリリースしたのがGクラスである。任務遂行のために道なき道を行くクルマだ。生命さえ預かるわけだから、堅牢性や悪路走破性の高さについて一般のSUVと比べるのは酷かもしれない。
 年を重ねるごとに進化したパワートレインはもちろん、高い駆動性能も特筆に値する。例えば、デフロック(内輪差を解消させる差動装置をロックする機能)&特有機能のクロスカントリーギアにより、オフロード走行時に実力をいかんなく発揮できる。また、平面からなる形状は防弾処理を施しやすいという特徴も持っている。

 こうした特徴は腕時計で例えるなら、ダイバーズウォッチやパイロットウォッチの魅力に近いものがある。実生活においてオーバースペック(必要ないほど!)であるが、機能がもたらすホンモノ感に惹かれる、あの感覚だ。昨年発表されたオフロード性能をさらに強化させた「G 63 AMG 6×6」(5台限定!/写真下)の存在も、Gクラスの本物感を押し上げるのに一役買っている。
 軍用車両という出自を持つがゆえのルックス上の武骨感、そしてスペック面でのメリット=パワー&安全性能が、ファンでなくとも心揺さぶられる大きな魅力であることは間違いない。

 マイナーチェンジはあれど、1979年のリリース以来原型をとどめ続けているGクラス。一定周期でのフルモデルチェンジが当たり前のクルマ業界において、デザインの点から見ても極めて稀有な存在だ。
 直線形状に設計上のメリットがあるのは前述したとおりだが、「同一工場での生産」も姿を変えない事情の一端だ。というのも、そもそもGクラスは、登場以来一貫して、オーストリア・グラーツにあるマグナ・シュタイアー社の工場で生産している。車両製造をアウトソーシングするシステムは、クルマ業界において珍しいことではない。ときに社外秘にもなるだろう生産のノウハウは、工場の特性ともなりうる。事実マグナ・シュタイアー社は、オフロードスタイルのクルマを得意とする傾向がある。BMW X3、ミニ クロスオーバー、ジープ、グランドチェロキーなど、これまで生産した、あるいは今も生産を続ける車種がその証だ。信頼できる工場が生んだ安心の形状、同一工場で同一デザインが続く事情が垣間見える。
 不変のデザインは、製品としての完成度の高さを意味する。変更を施す必要もない、と見ていいだろう。フォルクスワーゲン「ビートル」や「ミニ」のデザインが、大幅なモデルチェンジを断行せねばならなかったのは、そのデザインが現代の安全基準を満たさなかったという理由にある。最新Gクラスでは、ヘッドライトにトレンドとなるLEDを備えてラグジュアリー感を増したが、誰が見ても「ゲレンデ」の顔。不変であることで普遍性を備えた、数少ないクルマといえよう。

 ほとんど変わらない外装に比べ、中身=エンジンは進化を遂げている。例えば、直近のマイナーチェンジで登場したG 350 BlueTEC。メルセデスが絶賛推進しているクリーンディーゼルシステムを搭載したモデルだ。クルマ好きには釈迦に説法だが、改めて解説する。

 かつてはNOx(窒素酸化物)の排出により、排ガス公害の主犯格とされたディーゼルエンジン。一般にガソリンより安価な軽油を燃料とし、大排気量がもたらすハイパワーがメリットだった。長所を活かしつつ、弱点であった質の悪い排気を各社の技術により清浄化させたものが、昨今のクリーンディーゼルで、CO2排出量の低さも魅力だ。メルセデスでは、独自の触媒により排ガスにおける特定成分の低減を実現、動力性能も併せて向上させたエンジン&排ガス浄化装置の連合システム「BlueTEC」を開発。

 これをG 350に採用することで、Gクラスには23年ぶりにディーゼルエンジンが搭載されることに。ディーゼルのハイパワーを活かすにはうってつけのコンビといえるだろう。
 先端のエコ技術をも取り入れる先進性は、ただのクラシカルな四角い箱ではない、新たなSUVの姿を我々に提案してくれるのだ。

 「中身」の充実により、単なる武骨なSUVでないことを示すもう一つの要素が、インテリアである。街での走行性能をグッと高めたAMGグレードに存在する「designo(デジーノ)」(写真は特別仕様車)のインテリアが顕著だ。これは、シートレザーとトリムのカラーリングをカスタマイズできるというシステム。タウンユースにより特化したオプションで、G 63はオプション、G 65は標準装備される。

もちろんレザーシートについては、デジーノとは異なる「ラグジュアリーパッケージ」としてG 350 BlueTECにはオプション、G 550には標準装備されている。 武骨でシンプルを極めるトヨタのランドクルーザーでさえも、ラグジュアリー路線を取るこの時世。乗り心地はもちろん、グッドデザインに満たされた室内がもたらす居心地の良さ、それらを包括した快適性が現代のハイクラスSUVと同じようにGクラスにも備わっているのだ。

LINE UP