NATOで正式採用された軍用車両(写真上)を民生用にアレンジしてリリースしたのがGクラスである。任務遂行のために道なき道を行くクルマだ。生命さえ預かるわけだから、堅牢性や悪路走破性の高さについて一般のSUVと比べるのは酷かもしれない。
年を重ねるごとに進化したパワートレインはもちろん、高い駆動性能も特筆に値する。例えば、デフロック(内輪差を解消させる差動装置をロックする機能)&特有機能のクロスカントリーギアにより、オフロード走行時に実力をいかんなく発揮できる。また、平面からなる形状は防弾処理を施しやすいという特徴も持っている。
こうした特徴は腕時計で例えるなら、ダイバーズウォッチやパイロットウォッチの魅力に近いものがある。実生活においてオーバースペック(必要ないほど!)であるが、機能がもたらすホンモノ感に惹かれる、あの感覚だ。昨年発表されたオフロード性能をさらに強化させた「G 63 AMG 6×6」(5台限定!/写真下)の存在も、Gクラスの本物感を押し上げるのに一役買っている。
軍用車両という出自を持つがゆえのルックス上の武骨感、そしてスペック面でのメリット=パワー&安全性能が、ファンでなくとも心揺さぶられる大きな魅力であることは間違いない。